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このうえない、ひととき。

 ロシュのことを知れば知るほど溺れていく……。  ベイジルがロシュの名を幾度となく呼べば、下肢に刺激を与えられる。生地の上からなんかではなくて、直に触れてほしい。そしてあわよくば、ロシュの一物でひとつになって融け合いたい。ベイジル自身もロシュの手を取り、自らの陰茎を揉み込むように扱く。するとロシュによってベイジルのズボンも何もかもを取り除かれた。  ツンと尖った乳首は赤く腫れ、ベイジルの陰茎は勃ち上がって先走りを垂れ流している。一糸も纏わない肢体がベッドの上に披露される。  赤く燃える炎を宿したルビーの目が自分を見下ろす。射貫くような鋭い視線だ。まるで心さえも見透かすようだと、ベイジルは思った。  ロシュの手練された手管にすっかり溺れたベイジルは、先程までたしかにあった羞恥さえも消えていた。彼を求めて手を伸ばせば、ロシュは腹の底から雄々しい呻り声を上げた。薄い唇にベイジルの唇が塞がれる。  ベイジルは歓喜に満ちた甘い声を上げ、彼のたくましい背中に腕を回した。  他人とのセックスがこれほどまで楽しいと思えたことがあっただろうか。ベイジルは心からロシュとこの一時を楽しむことにした。目の前にいるアルファに心ごと身体も委ね、乱れに乱れた。

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