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再会。

 すると老婆はひとたび大人ほどの太さもある巨大な大蛇へと姿を変えた。そうかと思えば長い胴をうねらせロシュを絡め取った。  大蛇は絡め取ったロシュの骨ごと砕きに掛かる。  ぎしぎしと骨が砕ける耳障りな深いな音と苦痛に満ちた声がベイジルの耳に届く。 「ロシュ! どうして!! 僕は貴方と会った覚えもないし、恨みを買った覚えもない! なぜ僕の命を狙うの? さっきの映像は何? 貴方はいったい何者なの?」  このままではロシュが絞め殺されてしまう。  すっぱい胃液が逆流し、食道を通って口内に広がる。ベイジルは身を引き裂かれるような思いで尋ねた。  老婆に向かって、『偉大な母』とロシュは言った。そしてジェ・ルージュとも。  この大蛇へと姿を変えた老婆はロシュの知り合いで、ロシュもまた、彼女と同じような生き物なのか。そう考えれば、見たことのない美しい赤い目も、そしてどこか人間とは違う洗礼された容姿も辻褄が合うような気がする。  しかし今、ベイジルにとってそんなことはどうでも良い。思いやりの心を以(もっ)て看病してくれたのは家族でもなければ恋人でもない、ロシュ・サムソンだ。その人が自分に代わって苦しめられている。自分のために愛おしい彼を失うのはあまりにも苦しく、あまりにも悲しい。やっと心の中にあった恐怖も何もかもを打ち明けられる男性(ひと)に巡り会えたのに、その彼が今、命を奪われようとしている。ベイジルは焦った。

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