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報い。

「もちろん、地下に閉じ込めて、二度と私以外の女に目をくれないよう、数あるコレクションのひとつに加えてあるさ。そんなことより私が訊きたいのは、あの坊やを放って置いてどうしてここにいるかということだ。母の私に逆らってまで助けようとした坊やじゃないのかい?」 「だからですよ」  グラスに並々と注いだ酒をぐいっと一飲みするとロシュは答えた。 「いったいどうしちまったというんだい。お前らしくもないね。バロン・クロアの呼び名が廃れるよ? これまでのお前なら欲するものなら全て、誰が何と言おうと手に入れてきたじゃないか」  ロシュは顔を(しか)めた。 たしかに彼女の言うとおりだ。これまでの自分は誰かのために身を引くことなんてなかった。欲するものは全て、自分の思うままに手に入れてきた。それがペトロという邪悪な神の本質だからだ。  しかしベイジルだけは違う。彼を思い、ロシュは手を引いた。心優しく、心の強さを持ったベイジル・マーロウには自分のような悪魔とは釣り合わない。強欲で邪な心を持つ自分では彼を大切にしてやれないと気が付いたからこそ、こうしてここにいた。

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