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叫び

 二人の唇が日焼け知らずの白い柔肌に吸い付き、貪る。その度に、ベイジルの唇からは艶やかな声が発せられた。  けれどもベイジルの心は違う。  自分にとって唯一の存在だと思っていた人からの裏切り。どんな状況でも発情するオメガという卑しい性。恐怖と苦痛で打ちひしがれる。  ベイジルは二人を振り払う力さえもなく、与えられる快楽に染まっていく。  愛する男性に捨てられた悲しみか、切望していた快楽か。  目から散る涙はいったいどちらのものだろう。  赤い唇は嬌声を放ち、けれども心は悲痛に叫びながら――

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