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はじまりの夜

 ロシュは自らの欲望を赤い唇から抜き取った。するとすぐに抗議の声が赤い唇から上がったが、それはほどなくしてすぐに消えた。  ロシュの口が彼の唇を塞いだからだ。  彼の口内はロシュの欲望を含んだおかげで生臭い味がする。  しかしそれさえも美味いと感じてしまうのは、目の前にいる彼が淫らに求めてくるからだ。  口づけただけで彼の欲望はより大きく膨らみ、後孔からも蜜で潤っている。  ロシュは、すっかり濡れそぼっている彼の太腿を大きく開脚させた。  内壁は雄を求め、ひくついている。  内壁の中に秘められた赤い小さな果実は熟れている。実に美味そうだ。  ロシュはごくりと唾を飲むと、魅惑的な彼の秘部を舌でノックする。  すると華奢な腰が大きく震え、ベッドのスプリングが軋みを上げた。  舌を伸ばし、ゆっくりと中を這わせていく――。  ロシュの行為にすっかり魅了された彼は赤い唇を閉ざすことができず、絶えず唾液を垂れ流して嬌声を上げる。  そこから放たれるのは艶やかな喘ぎ声ばかりだ。  なんと香しい匂いだろうか。  太腿の間に隠されていた秘部からは甘やかでスパイシーな木蓮の香りがロシュの鼻孔を刺激する。  ロシュはほくそ笑み、しっとりと濡れているそこを味わうようにして舐め取っていく。  まるで彼の身体はベルベッドのようだ。  舌触りも申し分ない。  ロシュがいくら舐めても内壁にある控え目にある蕾は潤いを保ち、枯れることを知らない。  ロシュが這わせる舌の動きに合わせて華奢な腰が揺れる……。  どうやら彼もロシュとの行為を気に入ってくれたようだ。  しかし、この行為に魅了されているのは何も彼ばかりではない。  ロシュも我慢の限界が近づいていた。

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