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尽きることがない欲望

 ベイジルはこれを見る度、今夜ロシュに抱かれたことを思い出すに違いない。  ロシュはにやりと笑う。それから内壁を掻き混ぜていた指を抜き取った。  ベイジルは秘部から指が消えたことが気に入らないのか、抗議の声を上げた。けれどもそれもほんの一瞬にすぎない。ロシュが華奢なその腰を持ち上げ、指の代わりに屹立している欲望を秘部に当ててやると、ベイジルは満足げに口元を緩めた。  ロシュの欲望がゆっくりと内壁を割り開いていく。  彼はその速度が気に入らなかったらしい。  自らの腰を上下に動かし、大きな律動を作りだす。  おかげでロシュの欲望はベイジルの中でむくむくと成長を遂げていく。  ベイジルはさらにもっととロシュの欲望を欲し、腰を振って惑的する。その艶めかしい腰の動きはロシュを引きつけて止まない。  ロシュはベイジルから繰り出される恐ろしい誘惑にとうとう打ち勝つことが難しくなった。飢えた野獣のような声を腹から出すと最奥目掛けて楔を打ち込む。ありったけの精を吐き出した。  小さな子宮のそこにロシュが放つ熱い迸りがだくだくと注ぎ込まれる。  身体が弓なりに反れ、そしていっそう甘い嬌声を上げながら、ベイジルもまた果てた。  ――けれどもこれに終わりはない。  ロシュはぐったり横たわるその身体を引き寄せると、ふたたび深い抽挿を繰り返す。自らの肉欲が満たされるまでベイジルを手放す気はなかった。  彼は飽くことなく欲望を放ち続ける。艶やかな声がベイジルから聞こえなくなる寸前まで――。

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