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興味

「少しお待ちください」  彼女はロシュから離れるのが名残惜しいのか、苦しそうにそう言うと、重い腰を上げてデスクから離れた。  そしていくらか待った後、彼女はひとつのメモを持って戻ってきた。 「ベイジル・マーロウさんのご住所は詳しくはお伝えできませんが、彼はセントラル・シティに滞在していらっしゃいます」  彼女はそう言うと、目を輝かせ、ロシュから与えられるであろう褒美を待った。しかしもはや目的を達成したロシュにとって、彼女は用済みだ。 「ありがとう。助かったよ」  ロシュは内心にやりとすると、彼女から手を引いた。  彼女の赤い唇からはふたたびため息が発せられたが、ロシュには今となってはまったく興味をそそられない。自分が興味があるとすれば、それはベイジル・マーロウだ。  ロシュは巨大なビルから出ると、足早に目的地を目指した。

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