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終わらないしごと。
そこで彼は、こうしているたった今も電話中だったことを思い出した。
「申し訳ありません。今からそちらにお伺いしたいのですがよろしいでしょうか」
ロシュは我に返ると慌てて会話を続けた。
「わかりました。では早速面接の準備をしてお待ちしておりますわ」
電話が切れると同時に、ベイジルはふたたびブラシを握り締め、踵 を返して歩き始める。
どうやら彼の仕事はまだ終わりではないようだ。
あれだけ仕事をやってのけたというのにこの上、まだあんな危険な煙突掃除を続けるつもりなのか。
ロシュはいい加減うんざりすると、次の煙突掃除に向かおうとするベイジルの前へとあっという間に移動した。
「ベイジル・マーロウ。危険極まりない煙突掃除の次はどこへ行こうというんだ?」
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