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戯れ。

 †  ベイジル・マーロウはやはり煙突掃除なんかよりもずっと子供の面倒をみる方が向いている。  ロシュは軒下に腰を下ろし、裏庭で三歳ほどの子供たちと笑い合っているベイジルを見ながらそう思った。  それにしても、ベイジルの笑顔と声はなんとあたたかなものだろうか。彼の笑顔や声を上げて楽しそうに笑うその姿はロシュの胸の奥をくすぐる。  彼は子供たちの面倒は見られないと言ったが、実のところそんなことはない。  ベイジルは彼本人が思うよりもずっと愛情豊かな人間だ。それは彼と楽しそうに笑い合っている子供たちが証明してくれている。  まだ生まれて年端もいかない彼らは両親から捨てられ、過酷な運命を背負っている。おかげで人見知りが強く、大人たちはしばし手を焼いていたと、たしかシスターは言っていた。  しかしベイジルはものの三十分も経たず、すぐに子供たちと打ち解け、今はアスレチックで遊んでいる。  教会中に子供たちの明るい声とベイジルの笑い声が響き渡る。それは蒼白な顔をしていた昨夜のベイジルからは考えられない光景だった。  そしてロシュにしてもそうだった。昨日の出来事はロシュにとって誤算だらけだった。  魅惑術でシスターの思考を乗っ取り、自分は派遣会社の人間で、チャストロミエル教会で働かせてやりたい人物がいると掛け合ってから後、ベイジルを半ば強引に引っ張り出して子供の面倒を見させるようにした。  そこまでは計算通りだった。  しかし問題はこの次だ。

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