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思惑どおりーーの筈が……。

「お願い、今夜も傍にいて。ぼくを離さないで」  嗚咽と共に吐き出された言葉に、ロシュはにやりとした。  やったじゃないか、ロシュ・サムソン。これで今宵もベイジルは自らの身体をロシュに捧げたことになる。  今夜も愉しい一時が過ごせる。  これは願ってもみなかったチャンスだ。  そう思うのに、何故だろう。ロシュはその日、残念なことにベイジルを宥めるばかりに忙しくて、なかなか手を出せなかった。

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