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捜索開始。
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些 か魅惑術が効きすぎた傾向にあったらしい。自覚したロシュは、人間一人を新しい職に就かせるだけのつもりが、やりたくもない子供のお守りをさせられる羽目になっていた。
気分は最悪だ。
ロシュは自分から逃げるようにして走り去るベイジル・マーロウの後ろ姿を苦々しく見つめていた。
彼に見合った新しい職場を見つけてやったというのに彼はその礼も言わずに去っていく。
てっきり今夜も彼とひとつのベッドを共有できると思っていた。
そうしてロシュはメインディッシュを手に入れ、極上の一時を味わうのだと疑わなかった。しかし、結果はどうだろう。
ベイジルは自分を拒んだ。
ロシュからの口づけでようやく彼の欲望に火は灯ったが、しかし心から望んでいるものではない。
それがわかったからこそ、ロシュはベイジルを解放してやった。
とはいえ、彼を離す気はさらさらない。あんなに満たされた食事はこれまで味わったことがなかったのだ。
できることなら自分が飽きるまで食事をしていたい。
だが、無理矢理抱くのはロシュの意志に反する。
どちらも快楽を得てこそ、メインディッシュが完成するのだ。望まれていない性交なんて不価値だ。
彼を逃がしたのはひとえに無理強いをしないための策である。
彼はロシュの誘惑術に抗ってはいたものの、けれど身体は違う。太腿の間で膨らみを増していた欲望が何よりの証拠だ。
彼も自分に抱かれたがっている。
――ともすれば、これから彼を尾行して彼の家を探し当てればいい。
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