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救いの手……。
気のせいだろうか、彼の赤い目はどこか不安げに自分を見下ろしているように思える。
「よかった。無事か?」
ベイジルはてっきり自分は一人だけで、助けを求めても誰も手を差し伸べてはくれないと思っていた。けれど彼はこうして来てくれた。
眉間に皺を刻み、心配そうな眼差しでベイジルの様子を窺ってくれる。
もしかするとベイジルが思っているほど自分は孤独ではないのかもしれない。
そう実感すると、ベイジルは、わあっと声を上げ、両腕を彼の首に巻きつけた。
そしてたくましい胸板に頬を寄せ、むせび泣いた。
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