94 / 158

拒めない。

「っひ!!」  ベイジルはますます身を強張らせる。 「なにこれ。なんでこんなに興奮すんの?」  青年はベイジルの首筋に顔を埋めると、まるで麻薬を服用しているかのようだ。彼は深く息を吸い、悦に浸っている。  それから青年は腰を揺らし、自らの男根をベイジルの太腿に擦りつけた。  青年の手がベイジルの胸を触る。 「っひ、あっ!」 「ここ、男なのにツンと尖ってる。コリコリしてる……」  シャツを着ているとはいえ、薄い布越しだ。裸も同然に青年の手の感触が伝わってくるからたまらない。  乳首を摘み、扱かれれば、ベイジルの唇からは望んでもいないのに官能的なため息が弾き出る。 「なあ、あんた、もしかしてオメガ? 嘘だろ、都市伝説だとばっかり思っていたのに、オメガなんて本当にいたんだ……」 「あっ! いやっ!! やめてっ!!」  ベイジルは自分のことを性欲処理として扱われ、嫌悪感に苛まれる。必死に首を振り、一刻も早く青年から逃れようと身を捩る。  しかし、ベイジルがどんなに足掻いても、彼は手を引こうとはしなかった。  ベイジルの意志とは反対に、もう片方の腕も下肢に伸びる。  太腿の間にあるベイジル自身に触れた。  青年に触れられ、熱を帯びつつあるベイジルの男根がぐんと膨れ上がる。  どんなに拒んでも、快楽までは拒めない。 「っひ、あっ!」  赤い唇からは短い官能の声が弾き出た。 「(いや)がってるわりにはここ、勃ってるけど?」

ともだちにシェアしよう!