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satisfy
自分では性欲を満たすことはできても食欲を満たすことなんてできる筈がない。
彼はいったい何を考えてベイジルで食事ができるとそう言ったのか。さっぱり判らない。
疑問ばかりが頭に浮かぶ中、しかしそれもすぐに中断されてしまった。下肢に彼の手が伸びてきたからだ。太腿をなぞられ、一度は引いた熱が再び身体の芯に宿る。
ベイジルは与えられる熱に呻いた。その唇さえも薄い唇に塞がれてしまう。
薄く開いた唇に舌がねじ込まれた。上顎から歯列を通り下顎へ、滑りを帯びた彼の舌が我が物顔でベイジルの口内を蹂躙する。
舌を掬い取られれば、腰が揺れた。
「んぅ……」
まるでじゃれつくように滑らかな舌が絡め合い、二人は互いの舌を貪る。
くぐもった声と淫らな水音。
触覚だけではなく、聴覚すらもベイジルを煽る。熱を宿す身体がじくじくと疼いた。
ベイジルの欲望がますます膨らみを増す。
膨れ上がる自分の欲望をどうにかしてほしい。深い口づけの中、ベイジルは懇願するのに、けれどもロシュは一向に願いを叶えてくれる素振りがない。
ひょっとして彼は自分が抱いている欲望ほど感じていないのかと不安を覚えるベイジルは、大きく太腿を揺らし、下敷きになっている彼の雄を探した。
すると固い何かが太腿に触れた。同時に薄い唇から、獣じみた雄々しい呻り声が発せられる。
間違いない。彼もまた、自分と同じくらい狂おしい熱を抱いている。
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