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待望。
「ん……」
子供たちがあんなに懐いたのだ。ロシュは悪い人間じゃない。
箍を解いたら、欲するばかりになる。
「あっ、きもちいっ!」
ベイジルは乳首をこね回すその骨張った指の動きに翻弄されるばかりだ。
「ベイジル、おれは自分で言うのもなんだが、自分勝手なところがある。だが、暴力は振るわないことを約束しよう。絶対に、だ。自分の思い通りにならないからといって力で有無をいわせるなんて最低な人間のすることだ!」
ロシュはまだ根に持っているらしい。青年に殴られ、赤く腫れているだろう頬を撫でた。
ロシュにとって、ベイジルはただ欲望を満たしてくれる相手に過ぎない。それなのに、怒りを露わにする彼はとても優しい人だと知る。
彼のことを知れば知るほど、ベイジルはロシュが欲しくてたまらなくなる。
「ロシュ……。ああ、もう待てない!」
ベイジルは自ら足を広げると、彼の腰に絡めた。
いつの間にかベイジルの太腿の間は蜜で潤っていた。
これほど濡れたのも初めてで、ベイジル自身も驚くものの、けれど相手が労りの心を持つ男性なのだ。それもそうだと頷ける。
「たっぷりと満たしてやろう」
指をねじ込まれても少しも痛くはないのは、先ほど抱かれそうになったからだ。
あの悲しい出来事が起きたのはすべて、中を潤し、少しでも早くロシュに抱かれるためのものだったと思えば憂うつだった気分も少しは軽くなる。
彼のおかげで慣らされなくてもすぐに挿入してもらえる。
そう思っていたのに、しかしロシュの考えは違ったらしい。
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