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第8話
「あ…っあ…あ」
後孔に埋められた西園寺の指に翻弄されて、マツバは甘い声を上げながら鞍の上で背中をしならせた。
長い二本の指は届く限りの場所まで深く沈められ、中で何度も拡げられている。
敏感な粘膜を抉じ開けられる感覚にマツバは切なげに眉を寄せた。
西園寺にされるなら何でも嬉しい。
その言葉に嘘偽りは一切ない。
しかし身体は欲望に忠実できているもので…
マツバの肉体は彼のものを渇望していた。
挿れてほしい…
灼熱の塊のようなあの太いもので奥を突かれる快楽を思い出す。
どこをどう突かれると、どんな風に感じるのか…
肉棒が出入りする感覚や穿たれる感覚を思い出すたびに、中がグヌグヌとうねるのがわかった。
「あぁ…西園寺さま…っ、んんっ」
強請るような視線を向けると、西園寺がフッと笑った。
彼の男臭い笑みは何度見ても心臓に悪い。
特にこうやって間近で見せられると、寿命がいくつあっても足りない気がする。
「欲しいか?」
問われてマツバは恥じらいながらも素直に頷いた。
すると、背後から強く抱きすくめられる。
力強い抱擁に心臓をドキドキとさせていると、不意に西園寺が耳元で囁いてきた。
「…俺も早くここに入りたいよ」
「……っっ!!!」
甘い声色に全身の血が一気に沸騰し、その熱さでマツバの中の何かがドロリと蕩ける。
耳から入った彼の声に脳を溶かされたと思った。
何もしていないのに下腹部がわななき、絶頂寸前のゾクゾクとした感覚がマツバを襲う。
ああ…嘘、うそ…イく…っ!!
戸惑うマツバを他所に、後孔は西園寺の指をぎゅうぎゅうと食い締める。
その間にも指がぐるりと捻られ、粘膜を激しく擦りあげられた。
「…あ、あ、あ、ああっ…〜〜〜〜っ!!!」
くんっと白い喉を反らして、身体が跳ね上がる。
気がつくと前から飛沫を吹き上げていた。
飛び散った白濁が鞍に滴る卑猥な様にも煽られて、じっとしていなければと思うのに腰が勝手に動いてしまう。
「あぁ…っ、ごめんなさ…っ、ごめんなさい…っ」
言う事をちっとも効かない身体に、マツバはか細い声で何度も謝った。
すると、中を埋めていた指がズルリと引き抜かれる。
その感覚にも感じてしまいマツバは肌を震わせた。
「は…っんん」
「何 でイッた?指か?声か?」
西園寺が背後から覗き込みながら、マツバの顔を強引に傾けてきた。
快感ですっかりと蕩け潤んだ瞳に、西園寺の満足げな顔が写る。
「はぁ…はぁ…両方で…っふんんっ」
言い終わらないうちに唇を塞がれて舌と吐息を奪われた。
ねっとりと絡みつく濃厚な口付けに、頭の中までぐちゃぐちゃになる。
必死になって応えていると、唇が離れた隙間で西園寺がやれやれと溜息をついた。
「あまりかわいい事を言うな…これ以上俺を煽ってどうするつもりだ?」
「あ、そ、そんな…」
そんなつもりはないと言おうとして、マツバはギクリと身体を強張らせた。
西園寺の両手がマツバの腰を持ち上げ、張り型の上へと導いてきたからだ。
そのままゆっくりと腰を落とすよう促され、マツバは尻込みしながらも素直に従う。
「あ…ううぅ……っっ」
圧倒的な太さのものが襞を掻き分けて侵入してくる。
今まで咥えた張り型の中でも感じたことのないくらいの強い圧迫感に襲われて、さすがのマツバも耐えきれず呻き声を漏らした。
「うっ…くっ……ううっ」
腹部をめいっぱい押し拡げられ、中が異物でぎゅうぎゅう詰めになる。
マツバの薄い下腹部は、埋められた極太の張り型のせいで僅かに盛り上がっていた。
「上手に飲み込んだじゃないか?マツバ」
その膨れ上がったマツバの鼠蹊部を西園寺の指先がグリグリと押し込んでくる。
「ひっ…!!」
マツバは思わず悲鳴を上げた。
圧迫される事で中にある異物の形を強引に感じさせられたからだ。
その異物を確かめるように蠢く媚肉の動きが、マツバを再び追いやろうと快楽を生み出していく。
達したばかりの身体にその刺激は拷問だった。
「ひぃいいっ…ああっ、ダメェ…それは…っだめです…」
たまらなくなったマツバはイヤイヤと頭を振って訴えた。
瞳から溢れ落ちる涙と一緒に、勃起した屹立からも快感を訴える愛液が溢れ、鞍をしとどに濡らす。
「ダメ?どうしてだ?」
西園寺が意地悪く訊ねながら舌先で耳朶を嬲ってきた。
ねっとりとした感触と、水音に鼓膜が犯される。
今度は反対の手が乱れた着物の襟元を割ってそっと入り込んできた。
そうして、胸の先で主張していた突起をきゅっと摘まむと指先で弄びはじめる。
「ふ…あぁんんっ」
強く抓られ、優しく捏ねられて、電流のようなものが胸から全身を駆け巡り下腹部にじんじんと響く。
その度に張り型を咥えた後孔がヒクヒクと収縮した。
こんなの…こんなの耐えられない…!
極太の張り型に加え、新たな快楽にマツバは背中をしならせると西園寺の肩口に強く後頭部を擦り付けた。
「ああっ…か、感じすぎて…あっ、あっ、おかしく…なってっ…しまいます」
息も絶え絶えなマツバの答えに、西園寺がフッと息を吐いて笑う。
「いいじゃないか?おかしくなればいい。但しおかしくなるのは俺の前だけにしろよ?そして身体から魂にまでしっかりと刻むんだ。西園寺忠幸という男を、な」
膝裏に手をかけられ、マツバの両足が高く持ち上げられる。
「動いてくれ」
西園寺が男衆に静かに命じた。
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