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スイカにはバイアグラに似た効果があるらしい2
「とりあえず店頭にあるやつ全部買ってきて……って、あれ? お皿洗ってくれたの?」
「あぁ、暇だったしな」
「ボクが帰ってきたら洗うから、そのままにしといてって言ったのに」
「もう具合悪くないから、皿くらい俺だって洗えるよ」
もともと一人暮らし歴の長い俺。
家事はあまり上手くないとは言え、一通りはできるのだ。
けれどヒサトがこの家に泊まりに来るようになってからは、家事の大半をヒサトがやってくれている。
『だって、泊まらせてってお願いしたのはボクなんだし。ここに居る間の家事はボクに任せて!』
ヒサトもバイトで疲れているだろうから、家事は折半しようと言ったのだが、ヒサトは俺の言葉に頑として頷かなかった。
なかなかの頑固者である。
長い話し合いの末に折れたのは俺の方で、その代わりと言ってはなんだが俺の休みの日には一緒に家事をしようと言うことで話が決まった。
休みの日には二人で一緒にキッチンに立ち、飯を作る。
俺が掃除をしている間、ヒサトは食器を洗ったり洗濯を干したり。
……なんか新婚夫婦みたいじゃないか?
デニムのエプロンを着けて甲斐がいしく働くヒサトに欲情して、真っ昼間から盛ってしまったのはここだけの話。
エプロンプレイもなかなかよかった。またヤろう。うん。
……っと、何を話していたんだっけ?
ヒサトのエロい話になると、思考が全速力でそちらに傾いてしまうのは、俺の悪い癖だろう。
あ、そうそう。家事の話だった。
「もともと俺が休みの日は一緒に家事してただろう? 具合は本当に悪くないから、皿洗いくらい気にするな」
「むうぅ……でもご飯はボク一人で作るからね。タカアキはTVでも見てゆっくりしてて」
「わかった。今日の夕飯何?」
「チキンと野菜のグリルでしょ。それからトマトと豆腐のサラダ。あとデザートはスイカだよ」
「美味そうだな。楽しみにしてるよ」
「うん、待っててね!」
鼻歌交じりにエプロンを着けながら台所に立つヒサト。
その後ろ姿を眺めて、ついついイケナイ思い出が頭を過る。
危ない危ない。
熱中症やってから、一度もシてないせいか、エロモードの切り替えスイッチがいとも簡単に入ってしまう。
でもヒサトが真面目に料理を作ろうとしてるんだ。
俺がここで邪魔をするわけにはいかない。
キッチンで裸エプロンプレイはまた後日に取っておくとして、今は大人しくしていよう。
ふぅ……と深呼吸を一つ。
テーブルの上にあるTVのリモコンを手に取って、気持ちを切り替えたのだった。
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