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スイカにはバイアグラに似た効果があるらしい3
「ご馳走さまー。今日の飯も美味かった!」
「切ってグリルに入れただけの簡単料理だけどねぇ」
そう謙遜するヒサト。しかし俺に褒められて嬉しかったのだろう。
はにかんだ笑顔でそう答えた。
「上にかかってる大根おろしのタレも絶妙な味で、チキンにも野菜にもよく合ってる」
「それね、コックパットで見かけたやつ。美味しそうだったから、作ってみたんだ」
俺と付き合う前まで、ヒサトは料理をしたことがなかったらしい。
だが俺に手料理を食べさせたいと言う一心で母親に教えを請い、後はネットの料理系サイトを見て知識を増やしたのだとか。
「コックパット、最強だな」
「あのサイトがないと、ボクもう生きていけない」
「プッ、大袈裟な」
真剣な顔でそんなことを言うヒサトに、思わず吹きだした。
「もうっ! 笑わないでよ!!」
プゥッと膨れる顔もかわいい。
「ごめんごめん、怒るなって」
抱き寄せて頭を撫でると、少しは機嫌がよくなったのか
「あっ! スイカ出さなくちゃ」
と、冷蔵庫へと飛んでいった。
「はい、どうぞー」
パクリと一口放り込むと、ほんのりとした甘さが口の中に広がった。
冷蔵庫で冷やされたスイカが喉を通って、体全体がジンワリと冷えたような気がする。
「お替わりいる? あと三個入ってるよ」
「どれだけ買ってきたんだよ。でも今日はもういいかな。明日の朝また食おう」
「うん。……ところでタカアキ、体の熱は冷めてきた?」
「熱?」
「うん。あのね、スイカってカリウムが豊富だから、体を冷やしてくれるんだって。熱中症ってさ一度体温が下がってよくなったように見えても、その後またぶり返すこともあるって聞いてさ。だから体の中からしっかり冷やして、熱を下げようって思って」
夕飯のメニュー。チキンの横に添えられていたナスとオクラは体を冷やす野菜らしい。タレに入れた大根おろしや、トマトと豆腐のサラダも同様なんだとか。
そう言えば昼のそうめんに添えられていたミョウガも、たしか体を冷やすって聞いたことがあった気がする。
「タカアキがあんなに具合悪そうにしてるの見て、ボク本当に心配だったんだ。だからしっかり治して早く良くなってもらおうって思って」
「ヒサト……」
ヒサトの気持ちが本当に嬉しくて、力いっぱいギュッと抱きしめた。
「ありがとな。ヒサトのおかげですっかりよくなったよ」
頭頂部にキスを落とすと、ヒサトの顔が一瞬で真っ赤に染まった。
「じゃ、じゃあ、今日も早く寝て、体調を完璧に治そうね」
「もう治ったって」
顎を救い上げてキスをする。
「んっ……」
柔々とした唇の感触を楽しんでから、おもむろに舌を差し込む。
久し振りに味わうヒサトの口内は、微かにスイカの味がした。
「んもぅ……タカアキってば……今日くらい大人しくしてた方が……」
口ではそう言いながらも、すっかりと火が付いたらしいヒサト。Tシャツの上からでも、乳首がプックリと立ち上がっているのがわかる。
「大丈夫。それにスイカなんか食べたから、もう収まりつかないよ」
「えっ?」
「知ってたか? スイカって『食べるバイアグラ』って言われてるらしいぞ」
「えええっ!?」
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