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第6話 R-18
薔薇風呂なんて生まれて初めてみた凍夜は感動していた。
「うわぁ…すご…」
「気に入りました?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
「何を驚いているんです?」
「だってお前、勝手に入ってきて」
「そりゃ俺だって仕事で疲れてるから風呂くらい入らせてくださいよ」
「『お風呂どうぞ』ってさっき言ってたじゃないか」
「『お風呂どうぞ』とは言いましたけど、『先輩一人で』とは一言も言ってませんから」
「ぐっ…」
「うわぁ、すごい素敵ですね。先輩、薔薇のお風呂って入ったことありますか?」
「ねぇよ」
「それなら一緒に入りましょうか」
「何でそうなるっ!お前が入るなら俺は後から入るっ!」
「一緒に入った方が時間の節約にもなるし、寂しくないですよ」
「別に寂しがってねぇ~っ!」
藤堂に腕を引っ張られることで広い浴室からの脱出はあえなく失敗に終わった。
藤堂にかけられたシャワーのお湯はちょうどいい温度で、つい全てを任せてしまった。
「体、洗いますね」
「それくらい自分でできる」
「これは俺のわがままですから」
「ぐっ…」
『わがまま』という単語を出せば黙ると分かったのか、藤堂はしきりに『わがまま』という言葉をここにきて使い始めた。
凍夜自身も暴れるなり抵抗するなりすればいいのだろうが、生来の優しい気質のせいで、ついゆだねてしまうのだった。
「力強かったら言ってください」
「分かった」
たっぷりのボディーソープで泡だらけにしたスポンジで凍夜の体を洗い始める。
いきなり前から洗い始めるのはハードルが高かったのか、背中から洗い始めた。
背中、腰を順に洗い終えると、後ろから抱き締めるように体の前面を洗い始めた。
「ちょ、ちょっと待て」
「どうしたんですか?」
「体の前は自分で洗う」
「それも俺にさせてください」
「いや、自分でやるから」
「これを気にしてるんですか?」
やわやわと藤堂の右手に触られたのはゆるりと勃ち上がり始めた楔だった。
かくいう藤堂の楔は完全に勃ち上がり、抱き締めるような状況だからか、凍夜のお尻に押し当てられている。
それは今まで凍夜が経験してきたどの楔よりも大きさも硬さも立派なものだった。
いつもの条件反射で『これが中に入ったら――』なんて想像してしまったために、凍夜の楔も元気になってしまった。
「分かってるなら触るなよ」
「それは無理な話です」
「どうして」
「好きな人に触れたいって思うのは当然じゃないですか」
「はぁ!?」
「先輩、俺のこと好きでしょ?」
「そんなことはない。普通だ、普通」
口ではそう言いつつも体は正直で、凍夜の楔は先程よりも元気になって、天を仰いでいた。
「少しは意識してもらえてるってことですよね」
「そ、そんなことは…」
「俺、ずっと先輩見てたんですよ」
にちゃにちゃと官能的に響く音はボディーソープのせいなのか、自身が先端から出している液のせいなのか、蕩けそうな気持ちよさに漂っている凍夜には理解できなかった。
「歓迎会の時、女子社員の人から俺を庇 ってくれたでしょ。あれがきっかけなんです。実は昔少し嫌なことがあって、女性嫌悪っていうか女性不審みたいな状態で、近くに女性がいるのが苦手なんです。学生のうちは何とかなってたんですけど、社会人になったら、そういうの言ってられないじゃないですか。あの時も『誰か助けて』って思ってたら先輩が助けてくれて、すごく嬉しかったんです。それからは、先輩にずっとついていこうって決めて仕事がんばれたんです」
藤堂が話している間も手は凍夜の楔を上下に扱き、とどめなく凍夜に甘い刺激を与え続けていた。
今まで経験してきたどの快感よりもずっと甘いもので、凍夜は壁に手を突かなけれな立っていられなかった。
「今回プロジェクトに参加するのも、俺を推薦してくれたって聞いてすごく嬉しかったんですよ。でも、先輩通常業務とプロジェクトの仕事、両方やってるの見て、何かサポートできないかなって思ったんですけど、先輩にしかできない案件ばかりで何もできなくて、ただ見てるだけだった。正直それが悔しくてならなかったんです」
「真面目な、話、だから、手、止めろ」
「このまま聞いていてください。それから先輩が風邪で倒れた日、心臓が止まるかと思いました。体調が悪そうなのは分かってたから、時間を作って見に行けば今にも倒れそうで…。もうあんなになるまで仕事しないでください。でも、家にお邪魔できたのは嬉しかったです。役得でした」
絶え間なく続く甘い刺激に凍夜は限界だった。
楔がビクンビクンと跳ね、出したいと主張していた。
「出していいですよ」
「嫌だ」
「俺の手の中で出してください」
「恥ずかしすぎるだろ」
「大丈夫です。これからもっと恥ずかしいことするんですから」
藤堂は扱いている手のスピードを上げた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が風呂場に響く。
耳を塞ぎたいけど、耳を塞いでしまうと、立っていられない。
そんな凍夜の状況を気付いてか、藤堂は凍夜の右耳をベロリと舐めた。
「ひゃ!」
「かわいい声ですね」
「舐めるなっ!」
「耳、弱いですか?」
「そういうことじゃ…」
「ならいいですよね」
藤堂は凍夜の耳介を舐めたり、甘噛みして快感を与えた。
それでも凍夜は抵抗して出さなかった。
「強情ですね」
「後輩相手に一人でイクわけにはいかないだろう」
「それなら、これではどうですか?」
藤堂は今まで凍夜の腰を抱いた左腕を凍夜の左胸へと移動させた。
そこには早く触れてほしいと期待して既にぷっくりと膨らんでいる乳首がかわいらしく主張していた。
カリカリと引っかいたり、時に摘まんで引っ張ってみる。
引っ張った瞬間、凍夜の腰が大きく跳ねたのを藤堂は見逃さなかった。
「先輩、少し痛くされるのが好きなんですね」
「ちが…」
「ほら、イって」
藤堂の低音ボイスを耳元で囁かれると同時に、乳首を引っ張られた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
凍夜はのけ反りながら、大量の白濁を吐き出した。
腰が跳ねるごとに、白濁が楔から放出される。
ようやく吐き出し終えた時には凍夜はもう立つ力も残っていなかった。
「上手にイケましたね」
「どうして…」
「言ったでしょ。好きな人にしかこんなことしないって」
「冗談だろ」
「冗談じゃないです。歓迎会の後、先輩が自腹切ることないのに、皆を介抱してタクシーに乗せたり、俺を女子社員の人から助けてくれたり、そんな些細なことがきっかけだけど、俺はあの時から先輩しか見てないんです。先輩しか見えないんです。先輩が好きなんです」
藤堂は床にペタリと座り込んだ凍夜の目線に合わせるように屈み、真剣な眼差しで凍夜を見つめた。
これ以上『冗談』と逃げることはできないくらい真摯な眼差しだった。
両想いだったなんて思っていなくて、凍夜は恥ずかしさに顔を真っ赤にするばかりだった。
「真っ赤になっている先輩もかわいいですが、先に進ませてくださいね」
「ふぇ?」
不意を突かれ、足を広げられ、菊門に二本の指が入ってきた。
「うぁ…っ!」
「一度イったから、入口柔らかいし、中も随分動いてますね」
「やっ…」
「そう言いながらも腰、動いてますよ」
正直気持ちよかった。
ただ中に入ってきただけなのに、今まで感じたことのない快感を感じていた。
それは初めて気持ちが通じ合ったからなのかもしれない。
凍夜は自分の体が自分じゃ制御できない事実に恐怖を覚えた。
「気持ちいいの、怖い…」
「怖くないです。俺がついてますから」
「やだ…」
「大丈夫」
藤堂は泣き始めた凍夜にチュと触れるキスを繰り返す。
藤堂との初めてのキスの味は凍夜の涙の味だった。
しかし、その心地よさに泣いていた凍夜はキスに夢中になっていて、いつしか泣き止んでいた。
心地よさで唇が僅かに開いた隙を狙って藤堂は自身の肉厚な舌をねじ込んだ。
最初は凍夜の舌をつつくだけ。
拒否されるかという懸念は杞憂に終わった。
もっと、と強請るように凍夜の方から藤堂の舌に自身の舌を絡めてきた。
そこからは藤堂も欲望を抑えるのをやめた。
凍夜の小さい舌を吸ったり、口の中を縦横無尽に舐めまわした。
凍夜の口は小さく、藤堂の愛撫についていくだけで必死だった。
藤堂から送り込まれた唾液を飲み込めず、口の端から顎に垂れ落ちる様は、藤堂の欲望を煽るのには十分だった。
「先輩、もういいですか?」
与えられる快感の波に押し流されていた凍夜も体の中で暴れ回っている熱を放出したくて苦しかった。
「うん」
「ちょっと待っててください」
腰が抜けた凍夜の体の泡をシャワーで洗いながし、バスタオルで包み込んで横抱きにすると、大股でベッドまで歩いた。
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