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輝矢目線 2
数日後のとある休日――。
無理矢理、約束を取り付けられたのは一昨日の午後だっただろうか…
『都筑。休みの日はいつも何してる?はあ?仕事を持ち帰ってる?そんなのダメだダメだ!よ~しオニーサンが気晴らしに連れてってやる。楽しみにしとけよ♪』
そう言って茨城眠がボクを連れて来たのはゲームセンターだった。
「…ちょっと、これのどこが気晴らし?気晴らししてるのはキミの方じゃない」
「あ~わりぃな。懐かしいゲームがあったから、つい。都筑ならこの辺りが出来るかな?」
「ボクはやらないよ。それよりこんな騒がしい所早く出たい」
「まあ、そう言わずに1回だけでもやってみろよ」
そう言って彼が勧めて来たのは、銃でゾンビを打ち倒して行くものだった。
数分後――。
画面には『ゲームクリア』の文字。
「くっそーっ。都筑、お前初めてなんだよな?何でそんなに上手いんだよ!?」
二人協力プレイでやったのだが、個人の点数はボクの方が上だった。
「これでも現職警察官だよ。ゲームとは言え手は抜かない。それよりキミ、鑑識だからって銃の扱い怠けてるんじゃないの?」
「ぐっ。…都筑だって監察官じゃねぇか。そんなに上手いなんて聞いてねーっ。」
「ボクは月に何度か射撃場に通ってるから」
「~~っ。それを先に言えよっ。」
悔しそうにする彼には悪いけどボクは何だか気分が良かった。
(…たまには、こういうのもいいかもしれない)
その後もいくつかのゲームをして回り、ランチは彼オススメの洋食屋にオムライスを食べに行った。
彼は相変わらずのマヨネーズ好きで彼の目の前のオムライスはマヨネーズの中に消えた。
何度目かのその光景にまだ慣れはしないけど、彼の美味しそうに食べる姿にボクもつられてオムライスを完食した。
楽しかったランチタイム。だがボクは大事な事を忘れていた…。
お店を出た後は、展望台に連れて行かれた。
晴れていたので見晴らしが良い。
ただ休日なのに人は少なかった。
「ああ、近くに新しい展望台が出来たからな。…でも俺はこっちがいいんだ。」
と、言って懐かしむように外を見る彼。
ボクも倣うように外を見た。
暫くそうしていると彼の方から苦し気な息づかいが聞こえて来た。
「…は、…あ、…なんだ…これ」
「茨城眠?どうしたの?」
「…からだ…が、…あつ…い」
そう言ってその場にへたり込む彼。
ボクは、ハッとして時計を見る。
(今朝、薬を飲んでから何時間経った?…さっきボクは、…薬を飲み忘れた!?)
フェロモン!
H型のボクは定期的に飲み薬を飲まないとフェロモンが流れ出てしまう。
以前は拘束具タイプを使っていたが、飲み薬タイプが出てからはそちらに代えた。
(今まで飲み忘れた事なんて1度もなかったのに!)
急いで抑制剤を打つ為にその場を離れようとした。
が、ボクの腕を彼が掴む。
「…はぁ、…都筑。…おれ、を…ひとりに…する…なよ」
顔を赤らめ潤んだ瞳でボクを見上げる彼。すがり付くその手は小刻みに震えている。
(…ダメだ。こんな状態の彼をここに置いては行けない。)
「…茨城眠、少し辛抱して」
ボクは彼の体を支え立ち上がらせると、何とか死角となる物陰へと連れて行った。
彼の身体は熱く息は荒い。壁に凭れかけさせると苦しそうに胸と彼自身を手で押さえていた。
「…く…ぅ。……つ…づきぃ …さわ…て」
ギュッと瞑っていた瞳がゆっくりと開きボクを捉えるとそう懇願してきた。
いつもの彼と違いすぎるその様子にボクの胸は早鐘を打ち、身体は熱を帯びる。
「…今、…楽にしてあげる」
震える手を伸ばし彼の手の上から彼自身を感じる。…と、ビクンと跳ねる身体。
「…や、 …ちゃん…と、…さわっ…て」
もどかしいのだろう、ボクの手を股に挟んだまま太股を擦り合わせる彼。
ボクはその手を抜くと彼のパンツの前を寛げ彼自身を取り出した。
外気に晒されたソレはすでに硬く起ち上がっていてボクが軽く扱くと鈴口から蜜が涌き出てきた。
「…あ、あ、…あぁ」
その少しの刺激に歓喜の声をあげる彼。
ボクの腕を掴み熱い吐息を吐く。
「…もっ と……シ…て」
甘くねだってくる彼にボクの理性はトビそうだった。
「…いいよ、…シてあげる」
ボクは彼自身をギュッと握り込む。とたんに跳ねる上がる身体。強弱をつけ上下に扱くと煽れ出る蜜がボクの手を濡らした。
「…あ、…あ、…はあ、…あ」
「…茨城眠、…声を抑えて」
次第に大きくなる声。人が少ないとは言え誰に聞かれるか分からない。
ボクはもう片方の手を彼の頬に添え、人差し指と中指を口の中に滑り込ませた。
「…噛んでいいから、…ガマンして」
ボクは再び扱き始める。傘の部分も指で軽く擦る。ビクビクと震える彼の身体。
「…ん、……ふ、…ぅぅ」
ボクの指が差し込まれた口からは、くぐもった声と飲み込みきれなかった涎が零れる。
快楽に涙ぐむ彼と目が合うと、気持ちが高揚していくのが止まらない。
「…茨城眠、…ボクの手で、イッて」
これまでになく激しく手を上下に動かす。
ガクガクと震える身体。そして彼の脚がピンと突っぱねた時、ボクの指に痛みが走った。
白濁を吐き出した後の身体が弛緩していく。
彼の口からそっと指を抜くと彼は「…はぁぁ」と息をついた。
「…わりぃ、…最後、噛んじまった」
ボクは自分に抑制剤を打ち、彼の後処理をしていると、フェロモンの影響が薄れてきたのだろう、彼がすまなさそうに言ってきた。
「…そんなの何でもないよ。…それより、ボクのせいで、…ごめん」
「…都筑、…H型だったんだな」
「…………ん」
ボクが他人に血液型がバレてしまった事に青ざめ俯いていると、彼の方から溜め息が聞こえた。
「…はあぁ。そんな顔するなよ。俺は誰にも言わねぇよ。」
「……え?」
ボクが驚いて顔をあげると、茶目っ気のある顔で笑って彼は言う。
「俺が誰彼構わず言うヤツに見えるのかよ?ひで~な~」
「そ、そんな事ない」
「じゃあこれは二人だけの秘密、な?」
ウィンクをして優しく笑う彼にボクの胸がトクリと鳴る。
「…ありがとう」
そう言ってボクは彼にキスをした。
「……お まえ、なにしてっ」
ボクを押し返した彼は口許を手の甲で押さえ顔を赤く染め上げる。そんな彼が可笑しくて
「ふふ、…可愛いね、茨城」
と笑うと、彼はびっくりした顔で更に耳まで赤く染め上げたのだった…。
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