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【無口系シェフ×おっとりゲーマー高校生】
◆自作診断メーカー 【腐向け】キャラ属性&職業固定お題(日替わり)より
~お題【無口系シェフ】×【おっとりゲーマー高校生】な二人~
目が覚めた時、なごむはこう思った。
──『ゲームのイベント最終日なのに、うたた寝しちゃったか~』と。
学校終わり。
高校生のなごむはのんびりと帰宅し、ゆっくりと着替えてから、まったりとゲームを始めた。
ゲーマーであるなごむにとって、スマホゲームのイベント期間はテスト勉強期間よりも重要なのだ。
けれどなごむは睡魔に誘われるがまま、うたた寝をしてしまった。
目が覚め、時計を見るも……針は二十三時を指している。イベントは二十二時までだったので、もう終了しているのだ。
「ん~……っ」
両親が共働きで、尚且つ夜勤らしい今晩。なごむは料理ができないので、晩ご飯をどうしようかと考え始める。
床に落としていたスマホを拾い上げ、メッセージアプリを起動した。
そこに表示されている一件のメッセージに、なごむはふわりと微笑む。
『飯持って行く』
それは、恋人であるひふなからのメッセージだ。
なごむはゆっくりと起き上がり、玄関へ向かう。
メッセージの送信時間と、ひふなの職場から家までの時間を照らし合わせるに……そろそろ、ひふなが着く頃合いだからだ。
玄関の鍵を開錠すると同時に、インターホンが鳴る。なので、なごむはそのまま扉を開けた。
「ひふなさんだ~。こんばんは~」
白いレジ袋のような物を持ったひふなは、自分より頭ひとつ分背の低いなごむを見下ろす。
そしてそのまま、なにも言わずに袋を突き出すよう渡した。
「二人分、ある?」
人と話すのが億劫なひふなは、小さく頷く。
なごむはパッと笑顔を咲かせると、ひふなの腕を引っ張った。
「一緒に食べよ~? ……あ、もしかして、すぐ帰っちゃう~?」
今度は小さく首を横に振るひふなを見て、なごむは嬉しそうな顔をする。
腕を引かれ、ひふなはなごむの小さくてゆっくりな歩幅に合わせて歩く。
なごむはマイペースなままリビングまで歩くと、ソファにひふなを座らせた。
「ひふなさん、好き~」
ひふなから受け取った袋をテーブルの上に置いたなごむは、ソファに座るひふなの膝へ座る。
そのままひふなへ抱き付くと、鼻腔をくすぐるいい匂いに気が付いた。
「食べ物の匂いだ~」
レストランでシェフとして働いているひふなからは、美味しそうな料理の香りがする。それは当然のことだが、空腹のなごむにとっては普段よりも魅力的に感じられたのだ。
「ひふなさんって、食べたら美味しいのかな~……?」
そう呟くや否や、なごむはひふなの頬へ噛み付く。勿論、甘噛みだ。
まるで吸うように頬を噛むなごむに、ひふなはなんのリアクションも起こさない。
「ん~……硬い」
ガッカリしたようになごむがそう呟く。
──すると不意に、なごむの視界が揺れた。
「うわ~……?」
グルリと揺れた視界に僅かながら驚くも、なごむは冷静だ。
なぜなら、なごむは……。
──ひふなの手で、ソファに押し倒されただけだと……知っているのだから。
「へへっ。どうしたの~?」
「……分かるだろ?」
普段は面倒くさがって人と話さないひふなが、わざわざ喋るのはどういうときか……。当然なごむは、知っている。
──知っているからこそ……なごむはわざと、ひふなが喋る状況を作りたがるのだ。
「うん、分かる~。ごめんなさい、わざとです~」
落ち着いた様子でそう語るなごむの頬に、ひふなが手を添える。
「僕のこと、おいしく食べたいんだよね~?」
シェフであるひふなが喋るのは、料理をしているときだけ。
──そして……魅力的なモノを食べるときだけだ。
愛しいひふなの手に頬を擦り寄せ、なごむはこう思った。
──『ゲームのイベントは終わっちゃったけど、ひふなさんとのイベントが始まったからいいかな~』と。
【無口系シェフ×おっとりゲーマー高校生】 了
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