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【ハッピーエンドと誰が決めた】 1
◆いつぞやに書いた短編です。
皆様、こんにちは。
そして、はじめまして。天の声です。
さて、唐突ではありますが……皆様は【白雪姫】という作品をご存知でしょうか?
オーソドックスなストーリーですと、継母から森に追い出された白雪姫が、七人の小人と出会い、慎ましやかな生活をしますね。
そんな中、リンゴ売りに扮した継母によって毒リンゴを食べさせられてしまい、白雪姫が意識を失ってしまう。
そこに突如現れた白馬の王子様が、白雪姫にキスをして、昏睡状態だった白雪姫の目が覚め……二人は愛を誓い、ハッピーエンド。
──しかし、もしも。
──違う結末があるとしたら?
皆様の中で描かれる【白雪姫】の物語は、どんなお話だと思いますか?
これは、そんな【もしも】のお話です。
……余談ですが、ここはBLの世界。
白雪姫は男の子という設定ですので、悪しからず。
以上。天の声でした。
……ちなみにもう、天の声には出番がありません。しょんぼりです。
* * *
「好きです、白雪姫」
今日で、何度目。
……いや。
【今までで何千回言われたか分からない】言葉を、今日も言われた。
ちなみに『白雪姫』ってのはオレの名前だ。
……『男のくせに【姫】って何だよ』って? そんなのオレが知りたい。誰か教えてくれ。
詳細は割愛するが、オレは継母から屋敷を追い出された後、森の中をさまよっていた。
そんなときに出会ったのが、七人の小人たちだ。
小人たちに居場所をもらい、まぁまぁ平凡な幸せを手に入れて、そこそこ満たされながら暮らしていた。
──そう、あの日までは。
……一回でいいから『そう、あの日までは』って言ってみたいよな! 今、叶ったわ! ありがとう、オレの独白を覗き見してくれてる謎の視線!
……おっほんっ! 話を戻そう。
男のオレに好きだなんだと言ってくる、正真正銘まごうことなき変人……その詳細についてだ。
オレがこの変人と出会ったのは、あまりにも悲しい【あの日】のこと。
……それは、一ヶ月ほど前の出来事だった。
…………なんとか頑張って語るから、ここで飽きないでくれ! 聞いてくれ、聞いてください! お願いします!
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