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第3話②

キスってこんなに気持ちのいいものだったっけ。 舌で咥内を探って、熱い舌を絡める。一瞬体の力が抜けた隙を狙ってネクタイを緩めた。唇を離して腰をがっちりと掴みズボンをずらした両脚を高く上げる。人が来たらもう言い逃れ出来ない。 「い、や……あ、だめ、 だ…って!ふ、やぁんっ」 漏れる声を片手で抑える彼を見つめながらゆっくり埋め込んでいく。 「う、……く」 小さく呻く彼のなかが蠢いて、キツくて、暖かい。 「興奮…、する?」 軽く揺さぶりながら奥へ進んでいく。 「ひ、だめ、あっ、あんっ」 「ちゃんとお口、塞いでおかなきゃ」 左手で彼の手の上から口を押える。 「俺……は、興奮、してるっ、よっ」 古いソファーのスプリングがキュウキュウ鳴って、余計に昂ってくる。自動販売機のブーンという機械音が響いて、とっくに手を離してしまったケイタの性器からはトロトロと体液が流れている。今にも爆発しそうだ。 「ごめん、」 「……ちょっと、まっ」 俺は腰を揺らすリズムに合わせて彼のモノを擦る。 慌てて抵抗したってもう遅いんだって。 一生を共にする番の匂いが充満しているこの小さな部屋で、我慢しろというのが無理な話なのだ。 俺の手を口から跳ね除けて、力なく睨まれたけれどちっとも怖くない。 「なか……っ、だめ!そと、にだし、てっ!あ、」 イイところに当たったのか、必死で声を殺して数回に分けて白濁した液体がケイタの先から溢れる。 「無理」 「むり、じゃなぁ、いっ!」 「もういいじゃん。赤ちゃん作ろうよ」 「だ、め……っっ」 「それならちゃんと薬で抑えておけよ。じゃなきゃ、こんなになるって、分かっているクセに」 我慢してた筈だった。薬なんかに頼らなくても、我慢出来ると思っていた。これまで発情期でもシンジの考えに納得して手を出さなくても大丈夫だった、こんなにも気持ちが溢れそうになることはなかった。それは、自分の力で多少なりとも努力した結果だと思っていた。 (薬が無ければ、俺はこんなにも理性がない男だったのか) 気持ちいい、興奮する、無茶苦茶にしてやりたい、 「俺の子ども、孕んで」 耳元で囁く。泣きそうな顔にソソられる。嫌がる姿に、もっと酷いことをしたい気持ちが抑えられない。 (最低だ)

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