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第2話
誠が休みの日は大体こんなことをさせられている。
誠は社会人なので、休みは大体カレンダー通りだ。
週末だったので、今日は二日続けて男たちの相手をした。
平日の夜も相手をさせられることがある。
だけど、おそらく今日はもう終わりだろう。
二人きりになると安堵して、気持ちが緩む。
「二人きりになると安心する?」
そう尋ねられ、こくん、と頷いた。
誠と二人きりだと落ち着くし、安心する。
何より気持ちが安らぐ。
「その顔、好きだよ。オレにしか見せない顔ってのが堪らない」
そう言って、今度は唇にキスをしてくれた。
誠が言うには、一種の愛情確認方法らしい。
誠でない男たちに抱かれてもみなみの心は揺るがない。
それを目で見て確認するのが嬉しいらしい。
みなみにはよく分からない話だ。
でも、終わった後はこうして優しくキスをしてくれるし抱擁もしてくれる。
その優しさにみなみも蕩けて、結局言うことを聞いてしまう。
いや、言うことを聞かないとここを追い出されてしまう、と言った方が正しいだろう。
みなみは家出の最中で、誠の家に居候させてもらっている身だ。
見放されたら行くところがなくなってしまう。
まだ大学生の身でバイトもしていないため、生きていくには誰かに頼るしかない。
でも、だから誠の言うことを聞いている、というわけではない。
誠のためになるならば、何でもしたいと思うのだ。
自分の体が汚れても、それは構わないと思っている。
誠も歪んでいるが、みなみもまた、歪んでいた。
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