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7.欲情〈第1round〉
「……徹ヲ、抱キタイ」
「は……? ――!?」
言われた意味が分からず、惚けていた徹の唇が、世流のそれに塞がれた。
突然の事に驚いた徹の口内に、ヌルリとしたものが射し込まれる。
……口と口が繋がっているのだから、それは世流の舌な訳で――
「んン……!? ンふ……ンぅ……!」
世流の舌が徹の口内を掻き回し、舌同士を擦り合わせられる。
初め徹は驚いて硬直していたが、歯列をなぞられ、上顎を舐められ……
次第に気持ち良くなってきた。
「ンぅう……ふぅ……よ、世流ぅ……」
男同士なのに、不思議と気持ち悪さは無い。
むしろ嬉しい……
無意識の内に徹の舌も動き出し、世流のものと絡め合っていた。
チュク……チュプ……
互いの唾液が混ざり合い、飲みきれなかった分が、徹の口端から溢れ落ちる。
やっと口付けを解いた時、徹も熱い呼吸を繰り返し、頬を赤く染めていた。
恍惚とした顔の世流が、真っ直ぐに徹を見下ろす。
「徹……好きだ」
「え……?」
初めてのキスで頭がぼお~っとしていた徹は、思わず聞き返していた。
世流の手が、愛惜しそうに徹の頬に触れる。
「好きだ……前世の昔からずっと……お前を、愛していた」
世流の言葉が、熱く徹の胸に響いてくる。
嬉しい。
前世の事は、思い出し始めたばかりだから、何とも言えないが……
胸よりもずっと奥――魂が喜びに震えている。
「徹……」
名前を呼び、徹の頬を舐めた世流が、また唇を求めてきた。
今度は徹も最初から舌を絡め、滑らかに動く世流の舌を甘受する。
その間に世流は、徹の道着の襟を左右に開き、肩から引き下ろした。
徹がキスの余韻に浸っている隙に、中のTシャツを、世流が奪っていく。
「うわっ! ちょ、ちょっと――世流!?」
「ウルサイ」
「あぁッ……!」
半裸にされた徹は慌てて待ったを掛けるが、世流に乳首を摘ままれ、甲高い声が出てしまう。
口元だけでニヤリと笑った世流が、徹の乳首を捏ねくり回し、もう片方には舌を這わせる。
「ふあ……やぁン……」
初めて触られる小さな粒々が、世流の指と舌に、ゾクゾクした快感を植え付けられていく。
凄く、気持ち良い……
「ふあ……あぁン……」
片方を世流の指に弾かれ、もう片方を舌先で突っつかれる。
左右で違う刺激に、徹の身体が痺れ、快感に震え初めた。
次第に熱が――下半身に集まっていく。
世流がクスクスと笑い出した。
「乳首だけで、もうこんなに感じているのか?」
徹がぼんやりした頭で「えっ?」と聞き返すと、世流が下を指差す。
それに従って目線を下げると――
「――!?」
いつの間にか、世流に袴の前を引き下ろされ、徹のモノが飛び出していた。
天井を向いた徹自身から、透明な蜜が溢れている。
「いや、あの、これは、えっと……」
羞恥心からしどろもどろになる徹に、世流がクッと笑う。
(あ、今の顔、優人先生に似てた)
やっぱり親子だな……と、逃避を始めた徹をそのままに、世流が徹の屹立をパクッと咥えた。
「うひゃ……!? よ、世流! そんな、トコ……舐め……ンなぁ……!」
自身に吸い付かれた徹が、背筋を仰け反らせ、快感に喘ぐ。
チュプ……ヂュク……
下から響く水音に、耳まで犯されるようだ。
世流の舌が裏筋をなぞり、何度もカリを弾く。
その気持ち良さに、徹は溺れていく。
「ふあ……も、やめ……でっ、出るぅ……!」
身体を押し離そうとする徹に構わず、世流はより深く徹の自身を咥え込んだ。
そのまま強く吸われ、徹は甘い悲鳴を上げる。
「あぁ、ああああぁぁぁぁぁッ!!」
徹の腰がビクンッと跳ね、世流の口腔に白濁を放出した。
イくと同時に伸びた髪が、徹の背中に散って、パサッと舞い広がる。
ゆっくりと顔を上げた世流は、白い喉をコクンと小さく鳴らし、徹の出したモノを咽下した。
「ば……バカッ! なに飲んでんだよ……!」
感じ過ぎて息の上がった徹が、喘ぎ喘ぎ怒鳴る。
世流は恍惚とした顔で、下唇をペロッと舐めた。
「徹の味……」
その瞬間、徹の羞恥がボンッと爆発した。
もう恥ずかしいなんて言葉では、生ぬるい。
これ以上ないほど顔を真っ赤にし、言葉をなくした徹の口が、金魚のようにパクパクと開閉を繰り返す。
世流はクスッと笑った。
そしておもむろに袴の帯を解き、徹の手を取った世流が、下着の上から自分のモノを触らせる。
「――ッ!?」
世流の自身が、硬くなっている……
何気なく徹がそれを撫でると、上から息を飲む気配がして、世流のモノが少し大きくなった。
「徹……その触り方、ヤらしい」
「なッ……お、お前が最初に、触らせたんだろ!」
とっさに手を離した徹が、慌てて反論すると、また世流はクスクスと笑う。
完全に徹で遊んでいる。
徹が悔しさに顔をしかめると、自分の袴を脱ぎ捨てた世流は、徹の頬に優しいキスをした。
「……今度は俺の――咥えて?」
「なッ――!?」
「当然、ここで……」
驚く徹をよそに、世流は袴の中に手を差し込み、そっと徹の秘部に触れる。
「うわッ……!! よっ、よっ、世流ぅ――!?」
軽いパニック状態の徹は、硬く閉じた蕾のシワをなぞられ、ビクンッと身体を震わせた。
最初は上下に――
それから円を描くように撫でられ、徹の身体に、ゾクゾクとした痺れが蔓延していく。
「あぁ……やン……も、ダメぇ……」
初めて触られるソコが、世流の指にヒクヒクと震え、徹の頭が快楽で真っ白になっていく。
不意に世流の指先が、徹の中に入ってきた。
「イッ……! イッテ……痛てぇよ、世流!」
生理的な涙を浮かべ、我に反った徹が、世流を睨み付ける。
形の良い眉を寄せ、世流はチッと舌打ちした。
「仕方ないな……」
そう愚痴った世流が、徹の足に引っ掛かっていた袴を下着ごと取り去る。
当然、徹は全裸だ。
「ギャ――!! 何すんだよ、世流!」
「五月蝿い。お前は黙って感じていろ」
前を隠そうとする徹の肩を突き飛ばし、徹の足を持ち上げた世流が、そのまま強引に割り開く。
「うわっ! みっ、みっ、見るなぁ――!!」
それでも抵抗しようとした徹の手を、世流の片手で捕まえられた。
隠す物が無くなった徹の秘所に、世流の鋭い視線が突き刺さる。
「お前、散々嫌だ嫌だ言っていたのに、俺が触っただけで立ったのか?」
「ば、バカ! 見るなってば!」
世流に言われなくとも、自分のモノがどうなっているのか、徹にだって分かっている。
羞恥心から唇を噛み締める徹に、世流が満足そうにフフッと笑った。
「……もっと、感じさせてやる」
そう言った世流が、ゆっくりと徹の股間に顔を近付けて、その閉ざされた入口に舌を這わせる。
「ひゃあ……!? ど、どこ舐めてんだよ……!」
慌てふためく徹に構わず、大量の唾液を含んだ世流の舌が、蕾に水気を与えていく。
「もう、やめ……汚な……くぁ……」
気持ち良い……
汚ない所だから舐めないで欲しいのに、世流の舌が触れると、身体が甘く痺れてくる。
「あ……フぅ……よ、世流……あぁッ……!」
不意に世流の指が添えられて、狭い秘部の中にゆっくりと入ってきた。
「……まだ、痛いか?」
優しく気遣ってくれる世流に、徹は首を振る。
さっきはあんなに痛かったのに、今は世流の触る所全てにゾクゾクして、口を開けば喘ぎしか出ない。
狭い肉壁を広げられる度、徹の背中に甘い電流が走って、身体がヒクヒクと震えた。
その内、世流の指先がある一点に当たる。
「あぁッ……! ソコ……ダメぇ……」
嬌声を上げた徹の身体が、ビクンッと跳ねた。
「ん? ここか?」
そううそぶきながら、世流の指が執拗に内のシコリを刺激する。
その度に徹の身体がビクビクと跳ね、強過ぎる快感に身悶えた。
もう完全に立ち上がった徹の自身からも、透明な蜜をダラダラと溢し、世流の指を汚している。
激しく頭を振る度に、長い髪が徹の顔に当たり、スルスルと肌を滑った。
その感触さえも、徹に快感を与えていて……
「凄いな……もう三本も指を咥えている」
「あン……も……やめ……フあぁン」
いつ指を増やされたのか気付かないほど、徹は狂楽に翻弄されていた。
「……もう、そろそろ良いか?」
「フエ……? やン!」
ゆっくりと引き抜かれる指がもの寂しく、徹は無意識に蕾をキュッと閉めてしまう。
世流がさもおかしそうに、クスクスと笑った。
「そんなに物欲しそうな顔をするな。指よりも良い物をやるから」
ぼんやりとする徹の頬に口付け、世流は自分の道着を全て脱ぎ捨てる。
世流が惜しみ無く素肌を曝し、すでに太く怒張した自身を見せ付けていた。
「世流……?」
不安を感じる徹にニッと笑い、また徹の足を左右に割り広げる。
もう恥ずかし過ぎて、感覚がマヒしてきた徹は、されるがまま世流を眺めた。
世流の愛撫に濡れた徹の秘部が、物欲しそうにヒクヒクと震えている。
世流はすでに立ち上がっている屹立を、徹の蕾に宛がい、そのままゆっくりと挿入する。
「あッ――ン、あ、ああああぁぁぁッ!!!」
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