8 / 13

7.欲情〈第1round〉

「……徹ヲ、抱キタイ」 「は……? ――!?」 言われた意味が分からず、惚けていた徹の唇が、世流のそれに塞がれた。 突然の事に驚いた徹の口内に、ヌルリとしたものが射し込まれる。 ……口と口が繋がっているのだから、それは世流の舌な訳で―― 「んン……!? ンふ……ンぅ……!」 世流の舌が徹の口内を掻き回し、舌同士を擦り合わせられる。 初め徹は驚いて硬直していたが、歯列をなぞられ、上顎を舐められ…… 次第に気持ち良くなってきた。 「ンぅう……ふぅ……よ、世流ぅ……」 男同士なのに、不思議と気持ち悪さは無い。 むしろ嬉しい…… 無意識の内に徹の舌も動き出し、世流のものと絡め合っていた。 チュク……チュプ…… 互いの唾液が混ざり合い、飲みきれなかった分が、徹の口端から溢れ落ちる。 やっと口付けを解いた時、徹も熱い呼吸を繰り返し、頬を赤く染めていた。 恍惚とした顔の世流が、真っ直ぐに徹を見下ろす。 「徹……好きだ」 「え……?」 初めてのキスで頭がぼお~っとしていた徹は、思わず聞き返していた。 世流の手が、愛惜しそうに徹の頬に触れる。 「好きだ……前世の昔からずっと……お前を、愛していた」 世流の言葉が、熱く徹の胸に響いてくる。 嬉しい。 前世の事は、思い出し始めたばかりだから、何とも言えないが…… 胸よりもずっと奥――魂が喜びに震えている。 「徹……」 名前を呼び、徹の頬を舐めた世流が、また唇を求めてきた。 今度は徹も最初から舌を絡め、滑らかに動く世流の舌を甘受する。 その間に世流は、徹の道着の襟を左右に開き、肩から引き下ろした。 徹がキスの余韻に浸っている隙に、中のTシャツを、世流が奪っていく。 「うわっ! ちょ、ちょっと――世流!?」 「ウルサイ」 「あぁッ……!」 半裸にされた徹は慌てて待ったを掛けるが、世流に乳首を摘ままれ、甲高い声が出てしまう。 口元だけでニヤリと笑った世流が、徹の乳首を捏ねくり回し、もう片方には舌を這わせる。 「ふあ……やぁン……」 初めて触られる小さな粒々が、世流の指と舌に、ゾクゾクした快感を植え付けられていく。 凄く、気持ち良い…… 「ふあ……あぁン……」 片方を世流の指に弾かれ、もう片方を舌先で突っつかれる。 左右で違う刺激に、徹の身体が痺れ、快感に震え初めた。 次第に熱が――下半身に集まっていく。 世流がクスクスと笑い出した。 「乳首だけで、もうこんなに感じているのか?」 徹がぼんやりした頭で「えっ?」と聞き返すと、世流が下を指差す。 それに従って目線を下げると―― 「――!?」 いつの間にか、世流に袴の前を引き下ろされ、徹のモノが飛び出していた。 天井を向いた徹自身から、透明な蜜が溢れている。 「いや、あの、これは、えっと……」 羞恥心からしどろもどろになる徹に、世流がクッと笑う。 (あ、今の顔、優人先生に似てた) やっぱり親子だな……と、逃避を始めた徹をそのままに、世流が徹の屹立をパクッと咥えた。 「うひゃ……!? よ、世流! そんな、トコ……舐め……ンなぁ……!」 自身に吸い付かれた徹が、背筋を仰け反らせ、快感に喘ぐ。 チュプ……ヂュク…… 下から響く水音に、耳まで犯されるようだ。 世流の舌が裏筋をなぞり、何度もカリを弾く。 その気持ち良さに、徹は溺れていく。 「ふあ……も、やめ……でっ、出るぅ……!」 身体を押し離そうとする徹に構わず、世流はより深く徹の自身を咥え込んだ。 そのまま強く吸われ、徹は甘い悲鳴を上げる。 「あぁ、ああああぁぁぁぁぁッ!!」 徹の腰がビクンッと跳ね、世流の口腔に白濁を放出した。 イくと同時に伸びた髪が、徹の背中に散って、パサッと舞い広がる。 ゆっくりと顔を上げた世流は、白い喉をコクンと小さく鳴らし、徹の出したモノを咽下した。 「ば……バカッ! なに飲んでんだよ……!」 感じ過ぎて息の上がった徹が、喘ぎ喘ぎ怒鳴る。 世流は恍惚とした顔で、下唇をペロッと舐めた。 「徹の味……」 その瞬間、徹の羞恥がボンッと爆発した。 もう恥ずかしいなんて言葉では、生ぬるい。 これ以上ないほど顔を真っ赤にし、言葉をなくした徹の口が、金魚のようにパクパクと開閉を繰り返す。 世流はクスッと笑った。 そしておもむろに袴の帯を解き、徹の手を取った世流が、下着の上から自分のモノを触らせる。 「――ッ!?」 世流の自身が、硬くなっている…… 何気なく徹がそれを撫でると、上から息を飲む気配がして、世流のモノが少し大きくなった。 「徹……その触り方、ヤらしい」 「なッ……お、お前が最初に、触らせたんだろ!」 とっさに手を離した徹が、慌てて反論すると、また世流はクスクスと笑う。 完全に徹で遊んでいる。 徹が悔しさに顔をしかめると、自分の袴を脱ぎ捨てた世流は、徹の頬に優しいキスをした。 「……今度は俺の――咥えて?」 「なッ――!?」 「当然、ここで……」 驚く徹をよそに、世流は袴の中に手を差し込み、そっと徹の秘部に触れる。 「うわッ……!! よっ、よっ、世流ぅ――!?」 軽いパニック状態の徹は、硬く閉じた蕾のシワをなぞられ、ビクンッと身体を震わせた。 最初は上下に―― それから円を描くように撫でられ、徹の身体に、ゾクゾクとした痺れが蔓延していく。 「あぁ……やン……も、ダメぇ……」 初めて触られるソコが、世流の指にヒクヒクと震え、徹の頭が快楽で真っ白になっていく。 不意に世流の指先が、徹の中に入ってきた。 「イッ……! イッテ……痛てぇよ、世流!」 生理的な涙を浮かべ、我に反った徹が、世流を睨み付ける。 形の良い眉を寄せ、世流はチッと舌打ちした。 「仕方ないな……」 そう愚痴った世流が、徹の足に引っ掛かっていた袴を下着ごと取り去る。 当然、徹は全裸だ。 「ギャ――!! 何すんだよ、世流!」 「五月蝿い。お前は黙って感じていろ」 前を隠そうとする徹の肩を突き飛ばし、徹の足を持ち上げた世流が、そのまま強引に割り開く。 「うわっ! みっ、みっ、見るなぁ――!!」 それでも抵抗しようとした徹の手を、世流の片手で捕まえられた。 隠す物が無くなった徹の秘所に、世流の鋭い視線が突き刺さる。 「お前、散々嫌だ嫌だ言っていたのに、俺が触っただけで立ったのか?」 「ば、バカ! 見るなってば!」 世流に言われなくとも、自分のモノがどうなっているのか、徹にだって分かっている。 羞恥心から唇を噛み締める徹に、世流が満足そうにフフッと笑った。 「……もっと、感じさせてやる」 そう言った世流が、ゆっくりと徹の股間に顔を近付けて、その閉ざされた入口に舌を這わせる。 「ひゃあ……!? ど、どこ舐めてんだよ……!」 慌てふためく徹に構わず、大量の唾液を含んだ世流の舌が、蕾に水気を与えていく。 「もう、やめ……汚な……くぁ……」 気持ち良い…… 汚ない所だから舐めないで欲しいのに、世流の舌が触れると、身体が甘く痺れてくる。 「あ……フぅ……よ、世流……あぁッ……!」 不意に世流の指が添えられて、狭い秘部の中にゆっくりと入ってきた。 「……まだ、痛いか?」 優しく気遣ってくれる世流に、徹は首を振る。 さっきはあんなに痛かったのに、今は世流の触る所全てにゾクゾクして、口を開けば喘ぎしか出ない。 狭い肉壁を広げられる度、徹の背中に甘い電流が走って、身体がヒクヒクと震えた。 その内、世流の指先がある一点に当たる。 「あぁッ……! ソコ……ダメぇ……」 嬌声を上げた徹の身体が、ビクンッと跳ねた。 「ん? ここか?」 そううそぶきながら、世流の指が執拗に内のシコリを刺激する。 その度に徹の身体がビクビクと跳ね、強過ぎる快感に身悶えた。 もう完全に立ち上がった徹の自身からも、透明な蜜をダラダラと溢し、世流の指を汚している。 激しく頭を振る度に、長い髪が徹の顔に当たり、スルスルと肌を滑った。 その感触さえも、徹に快感を与えていて…… 「凄いな……もう三本も指を咥えている」 「あン……も……やめ……フあぁン」 いつ指を増やされたのか気付かないほど、徹は狂楽に翻弄されていた。 「……もう、そろそろ良いか?」 「フエ……? やン!」 ゆっくりと引き抜かれる指がもの寂しく、徹は無意識に蕾をキュッと閉めてしまう。 世流がさもおかしそうに、クスクスと笑った。 「そんなに物欲しそうな顔をするな。指よりも良い物をやるから」 ぼんやりとする徹の頬に口付け、世流は自分の道着を全て脱ぎ捨てる。 世流が惜しみ無く素肌を曝し、すでに太く怒張した自身を見せ付けていた。 「世流……?」 不安を感じる徹にニッと笑い、また徹の足を左右に割り広げる。 もう恥ずかし過ぎて、感覚がマヒしてきた徹は、されるがまま世流を眺めた。 世流の愛撫に濡れた徹の秘部が、物欲しそうにヒクヒクと震えている。 世流はすでに立ち上がっている屹立を、徹の蕾に宛がい、そのままゆっくりと挿入する。 「あッ――ン、あ、ああああぁぁぁッ!!!」

ともだちにシェアしよう!