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8.呪いの解き方〈第2round〉
「あッ――ン、あ、ああああぁぁぁッ!!!」
甘い悲鳴を上げた徹が、弓なりに背を反らせ、腹に白濁を撒き散らす。
「……まだ先っぽしか入っていないのに、もうイったのか?」
唖然とする世流に、徹は顔を真っ赤に染め、悔しげに唇を歪めた。
「……だって……世流の、太い……から……」
モゴモゴと呟く徹に、世流がニヤリと笑う。
「そんなに俺のモノが、気持ち良かったのか?」
徹の脇腹をなぞりながら、どこか嬉しそうな世流に、徹は小さく頷いた。
小さくフフッと笑った世流は、そっと徹の頬に右手を添える。
「凄く嬉しい……もっと良くしてやるから、力を抜いていろよ?」
世流が軽く徹の下唇をなぞると、フルッと震えた徹の身体が弛緩した。
唇が弱いらしい。
クスッと笑った世流は、改めてゆっくりと、徹の中に自身を埋めていく。
「あ……あぁ……」
世流の自身を締めそうになる度に、唇をなぞられて力を抜かれ、太い肉棒を少しず受け入れる。
徹の下肢がプルプルと震えて、快感を逃がすように強く拳を握った。
その内、世流の腰と徹の尻が、ピタッとくっ付く。
「分かるか? 俺のモノが全部、徹の中に入っているぞ」
陶酔した顔で、徹はコクコクと頷いた。
「世流の……凄く熱い……なんか脈打ってる……」
熱い吐息を漏らす徹の唇にそっと、世流はキスを落とす。
最初はついばむようなキスが、次第に深くなり、最後には舌を絡める濃厚な物に変わった。
「ん……ふぅ……」
上も下も世流と繋がって、徹はもっともっとと求めるように、世流の首に腕を回した。
そのとたん、世流の首に巻き付いたままの赤い紐が、ブルッと震える。
「な、何……?」
驚いた二人は、思わず唇を離し、世流は呪いの紐に触れた。
二人の神力に反応しているのか、紐が切れそうなほど震えている。
世流はニヤリと笑った。
「もしかしたら、この紐が外れるかも知れない」
「ほ、本当か!?」
呪いが解けるかも知れないと聞いて、徹が嬉々として瞳を輝かせる。
世流はクスッと笑った。
「手伝ってくれるか……? 徹」
低い声音で囁く世流に、徹はどぎまぎして、コクコクと頷く。
世流の低い声がカッコ良くて、徹の腰にまで甘く響くようだ。
堪らず徹は腰を揺らし、中に入っている世流を刺激した。
その反応が少し面白かったのか、世流が楽しそうにクスクスと笑った。
「そんなに慌てなくても、すぐに気持ち良くしてやるよ」
優しく抱き締めてきた世流を、徹は恥ずかしそうにおずおずと抱き返した。
「……しっかり掴まっていろよ?」
徹の耳元でそう囁いた世流は、素早く体を捻り、上体を入れ換えた。
「えっ……!?」
体位が変わって少し慌てる徹を、世流はゆっくりと起き上がらせる。
「よ、世流……? 何でこんな――」
不安そうに世流を見下ろして、今さらながらに緊張した徹が、キュッと尻の穴を閉めた。
「焦るなって……ほら、この紐を持て」
おずおずと紐を受け取った徹が、両手で紐を持つと、まるで馬の手綱を握っているようだ。
……跨がった馬と顔を見合わせているなんて、普通はあり得ないけど。
「紐を離すなよ? ――しっかりバランスを取れ」
そう言った世流が、急に腰を突き上げ始めた。
「ひやア……! あぁ……やぁ、ン……!」
腰が跳ね上がった反動と自重で、徹の身体の奥深くまで、世流の自身が突き刺さってくる。
その刺激が、電流のように脳天まで駆け上がり、徹の思考を真っ白に焼き焦がした。
本能的にバランスを取ろうとする徹が、世流の首に巻かれた紐を引き、ギシギシと音を立てる。
呪いで固定されているためか、幾重にも巻き付けられた世流の首が、締め付けられる事は無いらしい。
「上手いぞ、徹……最高の騎手だ」
「あぁ……よる……よるぅ……!」
強過ぎる快感に徹が喘ぎ、赤みを増した長髪が、反り返る背で艶やかに踊る。
「凄く綺麗だ……」
小さく呟いた世流が、そっと徹の頬に触れた。
もう世流が動かなくても、徹の腰が勝手に動き続け、気持ち良い所に擦り付けている。
ゆっくりと唇を寄せた世流が、しっとりと徹の口を塞ぎ、舌で誘う。
素直に口を開けた徹と舌を絡め、互いの唾液を混ぜ合わせる。
「ン……ふぅ……」
艶かしく息を漏らす二人の口端から、飲み切れない唾液が零れて顎を濡らす。
「ぷはぁ……あぁ、よ、よるぅ……も、もう……」
腹に付くほどそそり立った徹の自身から、止めどなく蜜が溢れ、限界を訴えるようにプルプルと震える。
優しく笑った世流が、徹に触れるだけのキスを贈り、そっと徹の髪をすく。
「徹……俺も、もう、限界だ。……一緒にイこう」
低く掠れる声で囁いた世流が、また激しく徹を突き上げて、同時に徹の屹立を上下に扱いた。
「うあぁ、あっ……! ヤぁ、あ、あン……」
嵐のように激しい快感に襲われ、徹はもう波に揉まれるイカダのように、ただただ翻弄される。
「あぁッ……! よる……よる……よるぅ……!」
「徹……!」
徹の握る呪いの紐に、バチバチッと静電気が弾け、赤く光りだした。
世流は片手で徹のモノを抜きながら、器用にもう片手で、自分の首に巻き付く紐を引く。
「クゥ、ウゥ……も……少し……」
呪いが解け始めているせいか、徐々に紐が締まりかけている。
「よ……る……」
少し苦しそうな顔の世流を見て、徹はパッと紐から手を離した。
「徹……?」
もう少しでイくのに、どうしたのかと、世流が怪訝な顔で動きを止める。
熱に潤んだ目で世流を見詰め、徹は世流の首に指を這わせて、巻き付く紐を掴んだ。
ニッと笑った世流が、徹と反対側の紐を掴む。
「いくぞ……?」
徹がコクリと頷く。
そして二人で、絶頂まで上り詰めていった。
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