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第7話 部署移動

 暫くして透から連絡が来て、新壱が新社長になったらしいと慌てた様子で電話が来た。  それを聞き、やはりあの時見たのは新壱だったのだと鉄平は確信を得た。  そして、怪我が良くなり、久しぶりに出社した鉄平に、部長から急遽人事部に移動になった事を告げられた。  そんな事言われるとは思ってもいなかった鉄平は、驚きのあまり手渡された一枚の紙を落としてしまう。 「俺が人事部ですか? 残れるって事ですか?」  鉄平は、昨夜書いたばかりの辞表を握り締めながら、本当にそれは合っているのかと部長に何度も尋ねてみた。  その驚きを見て、部長は嬉しそうにコクッと頷き、「違う所でも頑張れよ」と鉄平に言ってくれた。  その言葉に鉄平は元気良く返事を返し、深く頭を下げ、これでまた新壱と会える可能性があるとそう思えた。  だから今は、会社に残れる事に感謝しかなかった。

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