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第10話 最後の一本

 煙草の味はいつもと違い、塩っぱかった。  それはきっと、さっきコンビニで買った塩むすびの塩がたくさん付いていたからかもしれない。  決して、涙を流したからではない。 「クソだろ……ほんと……」  こんなにも好きなのに何で別れないといけない。  さっきの反応を見ていたら、繫ぎ止める事ができたかもしれないのに……でも、後悔してももう遅い。  これがきっとお互いにとってのいい選択だったはずだ。そう、絶対にそうだ。 「ふー……不味い……」  鉄平は煙草を吸い終えると、まだ数本残る煙草の箱グシャッと潰した。  そして、そのまま側にあったゴミ箱に捨て、この一本をこれで最後と自分で決める。  煙草を辞めるきっかけは、新壱との関係にピリオドを付けた時だと鉄平は心の中でそう思っていた。  だから、終わりだ。

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