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第2話

………えーと。 二の句がつげないとは、まさにこう言う状態のことだろう。 サムは棒立ちのまま考える。 キャスは「ディーンとキスしてたら怒ってしまった」って言ったよな…。 まず、ディーンはキャスにキスされることを許しているってこと…? そしてキスの最中に何かが起こり、ディーンは怒ってふて寝をしていた、と。 …ん? ……え? 「えぇぇえ! ディーンとキャスってキスする仲なの!? ていうかディーンはキャスにキスすることを許してるの!? なんで!? どうして!? いつから!?」 「質問は一つずつにして欲しい」 キャスはいつも通りの淡々とした言い方だ。 「キャス! ちょっとは照れろよ!」 真っ赤っかになって叫ぶサムをカスティエルは不思議そうに見上げている。 「なぜ?事実だ」 サムは自分自身に冷静になれと必死に命じる。 はいはい事実、事実、兄貴はキャスとキスしている…ってだからー!! 「これが冷静でいられるかっ!! キャス!いつから兄貴とそんな仲になったんだよ!?」 「だいぶ前」 「じゃあ何でキスなんかするんだ!?」 「愛しているから」 ドスッ。 勢い良く椅子に落ちるサム。 椅子が無ければ床にへたりこんでいただろう。 サムは両手で頭を抱えながら、それでも訊く。 「…つまり…あ、兄貴も、キャスをあああ愛してるから…二人はキスをした…ここまではいい?」 キャスが淡々と答える。 「ディーンの気持ちは分からない。 でも初めての時、私が押し倒してもディーンは抵抗しなかったから私を嫌いでは無いと思う。 サムはどう思う?」 ハイきた!質問に質問で返ってきちゃったよ!! サムはより一層頭を抱える。 「ごめん…僕も兄貴の気持ちは分からない…。 でも兄貴はキャスを親友だって公言してるし、絶対嫌いでは無い…と思う。 てゆうかキャスとディーンがキキキキスする仲だってさっき知ったばっかで…混乱しちゃって。 上手く答えられない。 ごめん」 「そんなに謝らなくていい。 これはディーンと私の問題だ。 巻き込んで済まない」 キャスは淡々とそう言うと、さっきまでディーンがふて寝をしていたベッドを見た。 何だかそれが余りに寂しそうに見えて、サムは余計なお世話だと思いつつ口を開く。 「いいんだ…それより何で喧嘩なんかしたの? 仲直り出来るように協力するよ」 カスティエルがサムに視線を戻す。 サムの喉がゴクッと鳴る。 「実は」 カスティエルが淡々と話し出す。 「君が買い物に行っている間、ディーンが面白い物を見せてやるって言って水鉄砲を出してきたんた。 君には内緒だって言って…これに聖水を入れて狩りの時サムを驚かせようって。 ディーンが言うには『スーパーハイパー水鉄砲』と言って、凄い勢いで水が出るらしい」 ……くだらない! あの馬鹿兄貴!! 思わずディーンを罵りたくなるのを理性をかき集めて我慢するサム。 「そうしたら…その水鉄砲の仕組みを一生懸命説明してくれるディーンが愛おしくなって…我慢出来なくて…ベッドに押し倒してキスしてしまった。 ディーンは驚いていたけど、嫌がらなかったし、私達は唇を重ねた途端、激しく舌を絡め合い…」 「はいストップ!」 サムがもの凄く嫌そうにキャスの話に待ったをかける。 「そういう詳しい描写は要らないから! 鳥肌立っちゃったよ…。 で、その…キス…をしてて何が起こったの?」 しゅんとして俯くカスティエル。 そしてカスティエルはポツンと言った。 「ディーンの舌を噛んでしまった」

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