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第5話
カスティエルが狂おしくディーンの口内を舐め回す。
カスティエルは片手でディーンの頭を後ろから支える様に掴み、もう一方の手でディーンの顎を固定しているのでディーンはカスティエルにされるがままだ。
「…んっ…ふ、ん…んんっ…」
時折ディーンの唇から漏れる吐息が甘ったるくて、カスティエルは余計に酷くキスを続けてしまう。
激しいキスから何とか逃れようとするディーンがいやいやをするように首を左右に振ろうとしても、カスティエルは角度を変えキスを終わらせることを許さない。
それよりもあの誰にも屈しない怖いもの知らずのディーンが、いやいやな仕草をするなんてきっと自分の前だけだ…そう思うとカスティエルはもっと燃えてしまう。
そしてカスティエルは激しいキスから、絡めた舌を解き、わざとゆっくりディーンの歯列をなぞり内頬をざらりと舐める。
ディーンの身体がピクピクと震える。
そしてカスティエルはチロチロと舌で舌の先をつつく。
ディーンがカスティエルのトレンチコートをぎゅっと掴む。
その仕草全てがカスティエルを刺激していることにディーンは気付かない。
十分焦らしてからカスティエルはディーンの舌を再び絡めとる。
ディーンからは最初はおずおずとした反応しかないが、それも数分の事だ。
カスティエルに痛いくらい舌を嬲られて、ディーンの頭の芯がジンと痺れる。
ディーンは朦朧としながら、それでも積極的に舌を絡め出す。
「…んっ…んん…は、あぁ…」
ディーンの吐息が少し苦しげになると、カスティエルは唇を離す。
ディーンはハアハアとした荒い息とは正反対に、カスティエルを魅了して止まないヘーゼルグリーンの瞳をとろんと蕩けさせ、形の良い唇の端からどちらのものとも知れない唾液をツーと垂らしている。
それをカスティエルが丁寧に舌で舐め取る。
「…キャス…」
掠れたディーンの声。
甘ったるく、カスティエルの鼓膜を溶かす声。
いつもならここで終わりだ。
カスティエルがディーンの額にキスをしてから、二人で瓶ビールを飲む。
だが今日は違った。
ディーンが「…脱げよ」と呟く。
「…脱ぐ?
コートをか?」
「…違う。裸になれって、こと…」
カスティエルは不思議に思いながらも、それがをディーンの望みならと、天使のパワーを使い一瞬で裸になって服を全て椅子に飛ばした。
ふと見るとディーンも羽織っていたバスローブの前を開け、身体を露出させている。
「…キャス…」
ディーンはカスティエルの右手を掴み、自身の高ぶった雄に押し付ける。
「ディーン…?」
「お前も同じだろ。
一緒に抜こうぜ…」
「それは…自慰をするということか?
私はしたことが無い」
戸惑うカスティエルにディーンがフフッと笑う。
「一緒にって…言ったろ」
蕩けたヘーゼルグリーンの潤んだ瞳。
赤く、濡れた唇。
息が整わないせいで、たどたどしい喋り方。
カスティエルは目の前のディーンに逆らうことなど出来ない。
カスティエルはディーンに軽くキスを落とすと、「分かった」と小さな声でキッパリと言った。
最初はどうしていいか分からなかったカスティエルだが、ディーンがカスティエルの雄を扱くのを真似する内に、段々とディーンの感じる場所や、やり方を覚えていった。
ディーン自身から溢れる蜜が、カスティエルが力に強弱を付け指を上下に動かすせいで、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を鳴らす。
そして括れから先端を絞るように擦り、先端の割れ目にほんの少し指を引っ掛ける。
「…あぁっ…キャス…キャス…っ…」
仰け反るディーンの白い喉に思わず噛み付いてしまったのはカスティエルの本能だ。
「…ひっ…アァッ…!」
カスティエル手の中でディーンの昂りがビクビクと動く。
ディーンは初めこそ大胆に指を使いカスティエルを追い詰めていたが、コツを掴んだカスティエルに責められると、ほんのおざなりに手を上下させているに過ぎない。
ああ、それなのに。
カスティエルの口からは熱い息が漏れ、頭が沸騰しそうに気持ちが良い。
カスティエルは自分がどうかしてしまったんだと思った。
こんな快感は知らないし、存在することすら知らなかった。
でもこれは現実だ。
ディーンが美しい瞳を潤ませ何かを訴えている。
もうカスティエルには分かっている。
あの瞳はキスを強請っているのだ。
カスティエルはむしゃぶりつくようにディーンにキスをする。
勿論、ディーン自身を扱く手を止めることはない。
ディーンは瞳を閉じ、長い睫毛を震わせ、濡らす。
そして必死に左手でカスティエルの肩に縋ってくる。
その時、カスティエルの猛った雄からディーンの指がはらりと外れた。
カスティエルは思わずディーンの雄と自身を掴んだ。
ゴリッと二本が擦れ合う。
するとディーンが身悶えて「…ああっ…!や、だ…キャス…!…だめだ…ッ…」と、たどたどしく訴えてくる。
カスティエルはディーンの様子から、擦れ合わせるのも気持ちが良いんだと確信した。
それからのディーンは快感の嵐の中にいた。
どうしてこの俺が男の思い通りに身体に触れさせているんだとは思うが、相手がカスティエルだと抵抗する気が起きない。
自然とカスティエルに強請ってしまう自分がいる。
カスティエルは唇にキスをして、ディーン自身を指で扱くだけでなく、ディーンの首筋、鎖骨、そして乳首にまで吸い付いて噛んだりしてくる。
噛むと言っても甘噛みに過ぎないが、その度にディーンの身体に快感が駆け抜ける。
それにディーンはもうカスティエルの雄に触れていない。
カスティエルがやり方を覚えたらしく、二本を同時に扱き、ゴリゴリとカスティエルの猛る自身を擦り付けてくる。
ディーンは「…も、やめ…、んん…」と喘ぎ声が出てしまう。
カスティエルにも何かしてやりたいと思うが、今のディーンはカスティエルの背中に両手でしがみつくのが精一杯だ。
そしてそれは、カスティエルがディーンの乳首を舐め回しコリコリと歯を立て、一際強くディーン自身を扱いた時、やって来た。
「…キャス!出るッ…出ちゃうから…離せ…ッ…!」
カスティエルは責める手を緩めず、乳首から顔を上げると、じっとディーンの顔を見つめる。
ディーンは涙を零しながら、シーツを指が白くなる程強く掴んでいる。
カスティエルは「出るなら出せばいい」と言うと、ディーンの唇を塞ぐ。
次の瞬間ディーンの悲鳴はカスティエルのキスで漏れる事無く、ディーンは白濁を溢れさす。
そして同時にカスティエルも白濁を散らしていた。
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