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嫉心_貮拾壹

 たちあがるモノは熱く、そしてかたい。 「気持ち良いか、磯谷」  ぐいと腰を掴み押し付ける様に擦りあわされて、その度に気持ち良くて腰が浮いてしまう。 「ん、あぁっ、そんなに押し付けられたら……」 「押し付けられたら何だと言うのだ?」 「あぁっ、ん、おかしくなるっ」  濡れて擦れる度に卑猥な音をたて、かたくて熱いもは刺激されて体が甘く痺れる。  頭の中は霧がかかったかの様に白く、快感だけが支配する。 「ふ、さかきさま、ともに」  絶頂を迎えともにいきたいと榊の名を呼ぶ。 「あぁ、共に」  びくびくと震え、白濁を互いにまき散らす。  生暖かい互いのモノがまじりあい太ももや腹を濡らした。  解放された時の気持ちの良い余韻に痺れる。  そんな将吾を抱きしめ、 「待っていろ、洗い流すから」  と桶で湯をすくいかけてくれる。その時、あらたな欲を生み出すかのように手が蠢いて将吾はつい甘く声を上げてしまう。 「ふふ、おぬしの身体は素直だな」  可愛い奴だとしゃがみ込んで舌を這わせられて、将吾は慌ててその行為をやめさせようとする。  だが咥えられて卑猥な音をたてながらマラを吸われ、快感にその身が善がり始める。 「ん、あぁ」  もっと奥まで咥えて欲しくて榊を頭を抑え込んでしまう。  それに応える様に榊も深くまで飲み込んでくれた。 「あっ、さかき、さま、もう……っ」  直ぐに頂点を迎え、口の中へと放ってしまった欲は榊によって飲み干される。 「榊様、いけません」  立ち上がった榊に将吾は慌てた様子でその頬を撫でる。  そんな将吾に笑みを浮かべて頬を撫でる手を掴んで口づけた。 「好きな奴のを飲むのが悪いことか? ならばお前は私のを飲んではくれないのか」  至近距離で上目使いで見られて、それがあまりにも色っぽくて将吾はくらくらとしてしまう。 「や、榊様」  口づけが腕をたどり鎖骨に胸にと落とされて、未だに感じやすい体は反応を起こしてしまう。 「磯谷は厭らしくてたまらないな。可愛がってやりたいところだがまた今度な」  次はもっと気持ち良くしてやるよと尻を揉みあげられてビクッと肩を揺らした。 「俺より榊様の方が厭らしいですよ……」  湯船へと誘われて一緒に中へと入り、将吾が榊を後ろから抱きかかえるようなかたちとなる。 「ふっ、当たり前だ。お前が可愛くて目が離せなくなってから、何度も年が明けたのだぞ。その間、お前を抱くのをどれだけ我慢してきたことか」  ひい、ふう、みいと指をまげていく。途中でいつ頃から想っていたのかを聞くのが恥ずかしくなりそれは止めた。 「だが、触るのまでは我慢できなかったな」  と、今まで自分に対して性的なものと肉体的な嫌がらせをしていた理由はそういうことなのだろう。 「好きな人につい意地悪をしてしまうってやつですか?」 「まぁ、そんな所かな」  ふふっと笑いながら言う榊にいい大人がとか思ったが、それはかろうじて口にせず顔を肩へと埋める。  そんな将吾の頭を撫でながら、 「愛しているぞ、将吾」  と耳元で囁かれてバッと顔を上げる。  恥ずかしくて何も言えなくて耳を抑えながら口をパクパクさせる将吾に、啄むように榊が口づけをする。 「ん、榊様、駄目ですって」  一気にのぼせあがって風呂から勢いよく起ちあがれば、湯船の中の榊がひっくりかえってしまう。  ぶくぶくと湯の中へと変な体制で溺れる。 「うわぁぁ、さ、榊様!!」  のぼせあがった熱は一気に冷めてその身を抱きしめて湯の中から助け出した。  榊は一応許してくれたけれど、次にまぐわう時が楽しみだと言われ、溺れさせたことをネタに何かとんでもないことを要求されそうで怖いが、きっと願いを聞いてしまいそうだ。

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