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いつもの感じのはず
翌日、腰が立たなくなったナオちゃんは休むことになり悠貴も便乗しようとしたが、お前は行けと凄まれたので仕方なく出勤する。
「おはようございます……あれっ、竹富課長はまだっすか?」
談笑していた伊月先輩とゴン主任にわざとらしく大声で言う悠貴。
「ちょっと昨日盛り上がっちゃたから〜大事を取って休ませたんだよね……あっ、なにしたかって? いや〜ん! ここでは言えないな〜」
ゴン主任は身体をくねらせて恥ずかしそうに言う嘘に悠貴は驚いたフリをする。
「ちょっとやめてくださいよ! 仕事に支障きたすじゃないっすかぁ」
「大丈夫〜僕が全力でフォローするからさ!」
「じゃあこの書類確認、お願いしやすね……ゴン課長!」
「もう上手いんだから〜中居くん♪」
悠貴が昨日仕上げた書類をゴン主任に渡していつも太鼓持ちをした苦笑いをすると、ため息が聞こえてきた。
不思議に思いながらその方向を見ると、伊月先輩が浮気を見つけたような悲しい顔をしていた。
「伊月先輩、今日のおやつはこれっすよ!」
ジャーン!と言ってカバンからピラミッドの形をしたピンクと黒のチョコが描かれたかわいい箱を取り出す悠貴。
それだけで伊月先輩の目が輝き出す。
「もちろん、アーンし合って食べましょうね」
悠貴が耳元で囁きながらみんなに聞こえるように言うと、伊月先輩は大きく唾を飲み込んだ。
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