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第2話【処理課(前編)早朝 下】

 いつの間にか行為が終わっていたのか、少年を犯していた男が服を着た状態で、ゴリに頭を下げてから、事務所内を通り過ぎていく。  ゴリはそれに対し、お辞儀で応対する。  男が事務所から出て行った後……床で寝転がっている少年に、BBが声を掛けた。 「もしかして……意識でも失っとるん?」  少年は小さく身じろぎ、右手を天井に向けて突き上げ、ヒラヒラと手を振る。 「起きてますよ~……余韻にくらい浸らせてください~……」  少年はそう言いながら上体を起こし、精液でベトベトになった自身の体を見下ろして、うっとりとした表情を浮かべた。 「朝から、い~っぱい稼いじゃいました~」 「ショタ、一日はまだまだこれからだぞ?」 「分かってます~」  ゴリにショタと呼ばれた少年は、体を伸ばすように両腕を上げて、小さく体を揺らす。  丁度そのタイミングで、処理課に所属している最後の一人が……事務所に入ってきた。 「あぁ『まぐろ』ちゃん。おはようさん」  赤い髪の要所要所に黄色が混ざった、独特の髪色をしている青年は、BBにマグロと呼ばれる。  マグロはBBに対して、頷きを返す。そのままゴリにも頭を下げたマグロは、ショタに視線を向ける。  精液で汚れているショタを見て、マグロは一瞬だけ、体を強張らせた。 「おはよう、マグロクン!」 「……っ」 「え~? だって、マグロクンが事務所に来るの遅いから~!」  一人で喋り出したショタに対して、ゴリが不思議そうな顔をする。 「ショタ……マグロは今、何て言ったんだ?」 「『一日の始まりセックスはオレが良かったのに』って! そんなこと気にしてたら、商売あがったりですよね!」 「流石だな……」  ショタはプンプンと愛らしく怒りつつ、頬を膨らませながら、事務所の奥にある部屋へ向かって歩き出す。  ショタが向かった先……シャワー室に向かって、マグロも歩き出した。  そんな二人を見て、ゴリが口を開く。 「朝礼までには戻ってくるように!」 「は~い!」  ゴリの言葉に、ショタは元気よく返事をし、マグロは三回程頷きで返した。  ショタとマグロがシャワー室に向かったのを見て、BBは頬杖をつきながら、ゴリに視線を向ける。 「僕らも、一日の始まり『せっくす』……しときます?」  意地悪く微笑むBBを見て、一瞬だけ逡巡するような態度を見せたゴリに、BBは思わず笑う。 「あはっ! 冗談に決まってるやろ?」 「むっ……そ、そうか」  ゴリは自分の頬を、照れ臭そうに掻きながら……ポツリと、呟く。 「俺は……ありだな、と……思ったんだが」  ゴリの呟きに、BBは目を丸くする。  暫くして、シャワー室からショタの喘ぎ声が聞こえてくると……BBが、立ち上がった。  BBは自身のベルトを外し、ゴリのデスクに近寄る。 「一回だけなら……業務に支障、きたさないやろ?」  BBがそう言い終わると同時に、ゴリの唇が……BBの唇に、重ねられた。

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