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第3話【処理課(後編)早朝 上 *】
処理課の仕事は主に、社員に対して性的なサービスを提供すること。
ゴリは男役、つまりタチ専門で、BBとショタは女役、つまりはネコ専門だ。マグロだけは役割が決まっていなく、頼まれたポジションを臨機応変に対応する。
いつの時代か、昔の役席者が設けた特例の課らしい。
そんな処理課の賃金計算方法は、射精させた回数である。
セックスをしなくても、射精さえさせれば給金は発生する仕組み……ではあるのだが、中でも一番手っ取り早いのがセックスなので、効率を重視して皆、セックスをする。
処理課メンバーの関係は、良好だ。仕事終わりに四人で飲みに行くこともあるし、四人で社員旅行にも行く。
――だが……本名で呼ぶことは、できない。
そうしているのには、理由があった。
本名を知ってしまうと、プライベートに影響が出る可能性があるから。それは、処理課内だけの問題ではない。
あくまで、処理課の人間が性的なサービスをしているのは、【ビジネス】だ。必要以上に社員と距離を縮めないよう、処理課の職員は、本名を公表しない。
――それは、暗黙のルールだった。
椅子に座ったゴリの上に座り、体を上下に動かしながら、BBは甘い吐息を漏らす。
ギシギシと椅子が軋む音と、シャワー室から聞こえるショタの喘ぎ声に……BBは、興奮を煽られていた。
「はあ、ぁんっ!」
「BB……っ、今日は、一段と凄いな……っ」
「そんな――ひゃんっ!」
腰を掴まれ、乱暴に奥を突かれる。BBは一瞬にして体を硬直させ、目の間で自分を抱いているゴリに、しがみついた。
「いきなり、奥はあきまへんって、僕何度も言って――」
「忘れた、なッ!」
「ぁあっ!」
話している最中にも、ゴリは抽挿を止めない。BBがどこで感じて、どこにペニスを当てて欲しいのか……ゴリには分かっていたからだ。
ギシギシと椅子が軋んだ音を響かせる中、BBは快楽によって歪められた、端正な顔立ちをしたゴリを見つめる。
「ふぁ、あっ! そ、れじゃっ、んっ! 僕が、出そうな時……どうして欲しいかは、んんっ! 忘れて、しもたんっ?」
背に回していた腕を、甘えるかのように、首へ回す。
それに気付いたゴリは、BBの腰を掴んでいた手を片方だけ動かし、後頭部へと回した。
「BB……今日も、綺麗だ」
「ん……っ」
ゴリがそう言うや否や、BBの唇が塞がれる。BBの唇に重ねられたゴリの唇から、舌が覗く。
ゴリの舌は、遠慮容赦なくBBの口腔を蹂躙する。歯列をなぞり、上顎を舌先でつつかれると、BBは体を跳ねさせた。
BBは、目を閉じたまま、自分からゴリの舌に自身の舌を絡める。それに気付いたゴリが、少しだけ可笑しそうに、吐息を吐いた。
その反応に、BBは悔しそうな表情を返す。
「あっ、あっ! マグロクンッ! らめ、らめらよぉッ! も、出ちゃうからぁあッ!」
暫く、互いの口腔を貪り合っていたが……シャワー室から聞こえてきた声で、二人は唇を離した。
「朝からほんま……若い子は凄いわぁ」
「お前さんだって、十分若いだろう?」
「せやけど……あっ」
優しく揺すられていたBBの体に、再び両手が添えられる。
「俺達も、そろそろ……ッ」
そう言ったゴリのペニスは、今にもはち切れてしまいそうな程……隆起していた。
「せやね……あっ、んっ!」
再び、BBの体が激しく上下に揺すられる。
ゴリのペニスが打ち付けられる度、肉と肉がぶつかる卑猥な音が、事務所内に響く。
余裕無さげにしがみつくBBのペニスへ、ゴリが手を伸ばす。握ったBBのペニスからは、先走りの液が溢れている。
――それは、BBの限界が近いことを、示唆していた。
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