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第6話【ゴリ(前編)夕方 中 *】

 精力絶倫、どんなノンケでもたちまち女のように蕩かせる、凶器のようなペニスとテクニックの持ち主……それだけでも十分魅力的だが、ゴリにはもう一つのポテンシャルがある。  それこそが、ゴリに依頼が殺到する理由……誰の相談にも律儀に対応する、天性の人の良さだ。  顔なじみ、全く話したことのない新人社員、自分より倍近く年上の役席者……それら全員に、ゴリは人見知りせず、物怖じもしない。  誰にでも平等に接するゴリを、高く評価する者が多いのだ。 「ところで、お前さん達」  小競り合いになかなか終止符が打たれない中、ゴリが口を開く。ゴリには従順な様子の二人が、ピタリと口論を止めた。 「「はいっ!」」  仲良く声を揃えて返事をした二人に、ゴリは思わず笑みを浮かべる。  二人は、ゴリより年下の社員だ。後輩を眺めるゴリの眼差しは、どこまでも優しい。  ――だが、その輝きが一変する。 「その聴いて欲しい話とやらは……セックスの前と後、どっちにするんだ?」  野性的な輝きを灯した瞳が、男性二人を見据える。  男性二人は瞬時に、頬を朱に染めた。  デスクに上体を預け、アナルをしっかりとゴリに向けている男性二人は……モジモジと内腿を擦り合わせる。 「ゴリさん……先に、僕に挿れてくださいよぉ……っ」 「はぁ? 先にセックスするのは俺に決まってんだろ!」  男性二人のアナルは、ゴリとの激しい交わりを期待して、ひくついていた。  ゴリは口論する二人に向かって、片手ずつ伸ばす。 「なら……まずは仲良くイカせてやる」  両手を男性二人のアナルへ伸ばし、乱暴に指を挿入する。  ――瞬間、二人が体を強張らせた。 「あっ! ゴリさんの、指ぃ! 奥に、当たってますぅ!」 「長くて太くて、んぁ! いいところに当たって、んぅ!」  二人のアナルを同時に指で攻めながら、ゴリは二人の頭が並んでいるデスクに、顔を近付ける。  男二人はだらしなく喘ぎ、表情は蕩けきっていた。 「お前さん達……随分と緩いな? もしかして、自分で弄ってきたのか?」  ゴリの問いに、二人は体をビクリと震わせる。指を咥え込んだアナルも、一瞬だけ締め付けが増した。 「あぁ、あっ! だって、今日は……やっと依頼できた、ゴリさんとの……んっ!」 「は、はいぃ……! ゴリさんとのセックスが待ち遠しくて……昨日、自分達でぇっ!」  『自分達』で……男二人の告白に、ゴリはある仮説を立てる。 (コイツ等……もしかして、付き合ってるのか?)  二人で依頼をする人も、いないわけではない。レアなケースではあるが、ゴリにとっては初めてというわけではなかった。恋人同士が依頼をして、マンネリ化したセックスに刺激を与えるという理由も、あったりする程だ。

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