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第25話【マグロ(前編)昼過ぎ 下 *】
だが……効果的ではなかったかもしれないと、マグロは思い始めていた。
ゴリとのセックスは、気持ちいい。それは事実だ。
だが、それを口にする必要性があるのか……今更、マグロはそんなことを考える。
ペニスでナカを擦られる度、マグロのペニスは素直に震えた。それを見たら、ゴリだって『マグロが感じている』と分かるだろう。
なかなか声を発さないマグロに対して、ゴリは見かねたように声を掛けた。
「お前さん、ショタとのセックスで……ショタに『気持ちいい』って言われて、何を感じる?」
ゴリの問いに、マグロは答える。
「嬉、しい……です」
「他の奴とセックスして『気持ちいい』って言われて、どう思う?」
「が、頑張って……良かったな、って」
「だよな。俺もそうだ」
ペニスの先端で奥をつつかれ、マグロの体が一瞬だけ強張った。
「まぁ、見たら分かるだろって思うんだけどよ……言葉にされた方がグッとくることって、あるよな」
ゴリの呟きに、マグロはハッとしたような表情を浮かべる。あまり表情を変えないマグロの、分かり易い程の狼狽にゴリは、小さく笑う。
マグロはゴリの背に回した腕に力を籠め、ゴリの目を見て、呟く。
「課長の、ペニス……ちゃ、ちゃんと……気持ち、いい……です」
口に出すと、照れ臭い……マグロのナカが、一瞬だけ締め付けを増す。マグロは俯き、頭の中でぼんやりと考える。
(自分の気持ち……言った方が、伝わるんだ)
ショタは、人と話すのが苦手なマグロの考えを、理解してくれた。いつの日からか、マグロはショタの優しさに……甘えていたのだ。
――このセックスには、意味があった……マグロは嬉しさから、ゴリに抱き付き直す。
「ははっ! 収穫があったようだな!」
ゴリの言葉に、マグロは何度も頷いた。
マグロのことを支え直し、ゴリは耳元で囁く。
「そろそろ出そうなんだが……ナカに出していいのか?」
問い掛けに、頷きで返そうとして――マグロは、口を開いた。
「な、ナカ……に、欲しい……です……っ」
マグロの言葉に、ゴリが笑う。ただの意思表示が、こんなにもくすぐったい。
ゴリの腰遣いが、一層激しいものとなる。マグロは表情こそ変えないけれど、何とか気持ちを口に出す。
「っ、き、気持ち、いいです……課長っ」
「あぁ……俺もだ」
「っ、ふ……ッ」
激しくナカを刺激され、無理矢理声を押し出される。
深々とペニスを突き刺したその瞬間、ゴリが熱い精液を吐き出す。その熱にマグロも応じるよう、精液を飛び散らせた。
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