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 中途半端に昂ぶっていた感情はすぐに呼び起こされてしまう。  風見と唇を重ねるだけで、水嶋の下肢は激しい熱を持った。  唾液を啜り合うような激しいキスを交わすと、風見の唇が首筋から鎖骨に降りていく。体のいたる場所に触れ、甘い痛みと共に赤い痕が残された。 「本当はここにも痕をつけたいんですけどね。一目で誰かのものであることが分かるから」  風見は唯一痕をつけていない水嶋の首筋に触れた。さすがに社会人の立場で目立つ場所に痕を残すのは御法度だ。 「僕を狙う人なんてそうそういないよ。それよりも君の方が心配だ」 「どうしてですか? 俺は水嶋さんだけを愛していますよ」  気後れすることなく、愛していると言ってのける風見に水嶋は苦笑する。 「君は僕なんかよりずっと人目を引く。狙っている女子も多いだろうし――」 「だったら、俺にも痕を残してください」  風見は言うなり、部屋着を脱いでいく。白く引き締まった上半身が現れ、何度見ても目を奪われてしまう。  風見は自分の首筋に手をやり、「ここでもいいですよ」と言った。 「さすがにそれは……」 「それなら水嶋さんが好きなところに付けてください」  水嶋の腕を引き、自分の上に導く。さっきとは逆に風見に覆い被さる形になった。  キスマークなどつけたことがなく、水嶋は少し緊張気味に胸元に顔を落とす。白い素肌に恐る恐る唇を寄せていく。肌に吸い付くようにすると、ピクンと風見の体が震えた。 「痛かった?」  不安げに視線を向けると、風見は首を横に振った。 「興奮しただけです。水嶋さんのこんな姿、会社じゃ見られないですからね」  もっとつけていいですよと促され、水嶋は再び顔を下に向ける。最初は戸惑いがあったが、回数を重ねていくうちに妙な支配感に気持ちが高ぶった。風見も興奮を示すように、すでに下着を押し上げている。  そこに手を触れると、風見が深く息を吐く。自分のつたない愛撫でこうなっているのだと思うと、もっとしてあげたいと思えてしまう。  欲のままに体を下げると、風見の下着をずらす。硬く弾力のある性器に、水嶋は唇を寄せる。濡れた先端に舌を這わせると、風見の手が優しく頭に触れた。  ぐっと、口の奥までくわえ込む。熱を持った怒張は、口に収まらないほどに逞しく育っていた。喉の奥を突かれ、吐き出しそうになるのを堪える。  苦しさから目元に涙が滲んだ。それでもどうにか頭を動かし、風見に快楽を与えようと奉仕し続ける。

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