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「ッ……水嶋さん、出そうなんですけど」
熱を帯びた吐息混じりに風見が切り出す。限界まで膨らんだ熱は今にも弾けそうだった。促すように頭を激しく動かすと、微かに風見が呻く。途端に口の中に苦みが広がる。なんとか嚥下するも、口の端から溢れてしまう。
「もしかして、飲んでくれたんですか。嬉しいです」
そう言って上体を起こした風見が、水嶋の口元を指先で拭う。
「今度は水嶋さんを気持ちよくしてあげますから」
後孔の縁をなぞるように触れられ、水嶋は期待に胸を喘がす。
ボトルからローションを手に垂らした風見が、ゆっくりと指を入れていく。中を探るように動かすと、濡れた音が立つ。
「や、はぁっ……ん」
「いつもより中が熱いです。そんなに俺のを舐めて興奮したんですか」
否定も肯定もせず、ただ涙をこぼして水嶋は風見の腕にすがる。指を増やされ、強い圧迫感と快楽にただ流され続ける。
「上に乗ってください。水嶋さんのこと、見ていたい」
熱を孕んだ瞳がじっと水嶋を捉える。自分の淫らな姿を見られるのは、少し躊躇してしまう。
「……なんだか恥ずかしいんだけど」
「俺には何も隠さないって約束しましたよね」
こんなことまで約束のうちに入るのかと、唖然とする。それでも腕を引かれ、横たわる風見の上に再び導かれてしまう。
見上げている風見と目が合わないように俯き、風見の高ぶりを手で持つ。ゆっくりと腰を落としていくと、風見が腰に手を添えて支えるようにした。
ゆっくりと浸食していく熱が、いつもとは違う刺激生む。そのことに怯みそうになるも、躊躇を許さないとばかりに風見が掴んでいる腰を引いた。
「あああっ――」
奥まで入り込むなり、風見が腰を突き上げた。
「……あっ……か、かざみくん……激しい」
ガンガンと腰を突き上げられ、水嶋は唾液をしたらせ喘ぐ。
「水嶋さん、すごくえろいですよ。俺のこと食いついていのがよく見える」
激しい抽挿がやむと、今度は腰をゆっくり回される。中をかき混ぜられ、あまりの快感に風見の胸元に倒れ込む。全身から汗が噴き出し、荒い呼吸を繰り返す。
激しい動きをしていたにも関わらず、風見は余裕の表情だった。風見に押し倒されると膝裏を抱え込まれ、再び後孔を熱に侵される。
「……水嶋さん」
前のめりになった風見と唇を重ね合う。指を絡ませると、右手の指の間に硬く冷たい感触がした。きっと風見も同じだろう。そう思うと、愛おしさと切なさが込み上げる。
「もっと……君で僕を満たして欲しい」
ぎゅっと絡めた指先に力を込めて、縋るように願いを口にする。
風見がもちろんですと言った声に、心の底から安堵した。
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