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恋人はたぶんエッチが好き1-2

 自分の絶倫さに絶望するのは兄たちのことを考えて正体不明の不安に悩まされるのとは違う。  等身大の恋愛に悩んでいる気がして悪くはなかった。  とはいっても、一晩での回数も頻度も濃さも問題だ。    俺は何とか珠次に興奮しないようにしようと考えた。    首から肩が出ていると確実に欲情する。  別々にシャワーを浴びて上半身裸の珠次の首元を見て俺はそのまま襲いかかった。  嫌がっているような「にゃー」の声を押しのけて首を舐めまくる。  喉仏が動いたり「いやー」に近い「にゃー」がいつの間にか蕩けて「うにゃぁん」という感じに変わっているのが最高にかわいい。  風呂場に逆戻りになることを不満気な「にぃー」という感じの唸り声の「にゃー」も最強にかわいいからついつい聞きたくなってしまう。    だが、そればかりでは年上としての余裕に欠けた脳細胞が死滅している下半身男になってしまう。  対策として俺は自分が欲情する前に風呂上がりの珠次の首元にタオルを巻く。  ときにタオルが落ちてエロに発展するが首元のタオルによって多少は欲情が落ち着いた。    珠次が課題をこなしているのを横目に見て引っかかっている問題をそっと教えて尊敬のまなざしで見つめられるというご褒美な時間を過ごす。  身体だけが目当てなわけじゃない。  俺は珠次と一緒にいられるならそれでいい。  嫌われたくないし、失うなんて考えられない。  珠次は俺にとって掛け替えのない存在になっていた。    俺は毎日のように珠次に癒されて、満たされている。  けれど、珠次にとって俺はどんな存在なんだろう。  ふと湧いた疑問に気分が落ちる。    俺の知る限り笹峰明頼のいいところはない。    部屋に珠次がいないかもしれない不安感から走って帰って、玄関にやってきた珠次を抱きしめるだけでは足りずにその場で犯すような人間だ。気持ちよくなりたいわけじゃない。ただただ珠次が自分から離れていく想像に怯えて安心を求めて玄関先で押し倒す。    それをにゃーにゃー言うだけで責めないでいる珠次は心が広い天使なのかエッチが好きな淫乱なのか。  魔性の天使に決まっているが天使に負担をかけ続けるわけにもいかない。  俺のことが嫌になって天界に帰ってしまうかもしれない。  腕の中から珠次が消える可能性に情緒不安定になって失神させるまで珠次を抱き潰してしまう。  悪循環に苦しむ俺を見捨てないでいてくれる珠次は「いや」と聞こえそうな「にゃー」と泣きつつも夕飯を作りに来てくれる。    そして俺は自分の性欲をなるべく珠次にぶつけないように画期的な方法を思いついた。

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