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恋人はそこそこ家事が好き1-1 会長視点

 俺の親衛隊をまとめている巳屋敷(みやしき)を空き教室に引っ張り込む。  無駄に俺に対して夢を見ているが何をしても離れていく気がない相手なので取り繕うことをやめた。  情けなさなんかを考えず俺は巳屋敷に愚痴を言う。  役に立たない相槌しかしないので返事をさせないようにハンカチを口の中に入れる。  何度か目からは俺のハンカチを犠牲にするのが忍びないと自主的にハンカチをくわえるようになった。  空き教室の机に座る俺とハンカチをくわえて床に正座する巳屋敷。  よくよく考えるとおかしな光景だが珠次と付き合うことになった前後からこういうことが始まった。  好きだと自覚してから告白というアクションをとるまでに俺にだって戸惑いがある。  加えて外部から進学してきた珠次からすると男との交際はハードルが高い。  フラれたくない、好きになってもらいたい。  そういう気持ちを切々と俺は巳屋敷に一方的に語った。  アドバイスは求めていないが言わずにはいられなかった。    どうも巳屋敷は俺が兄たちのこと以外に興味を向けたことが嬉しいらしく協力したいと言ってきたが断った。  人の力を借りた告白なんか年上として格好悪い。  けれど、不安な気持ちは紛らわしたいから心配事は吐きだした。    とんでもなく女々しいのかもしれないが兄の失踪によってもたらされたストレスは珠次によって癒された。  そして珠次が大切になればなるほど副産物のように珠次を思った時に発生する感情の乱れは大きくなる。  珠次に何かをしてもらいたいわけじゃない。  部屋にいてくれるだけで癒される。    癒されて幸せなはずなのにあふれる性欲が穏やかな時間を壊しだす。  巳屋敷は付き合い始めだからそういうこともあるとかなんとか言っていたが俺の行動は非常識だ。  控えようと思っても上手くいかないので俺は自分の中でひとつの許可を与えた。    珠次から絶倫死ねと思われないように気を付けたい。  そのための方法として自分が封印していたことでもやっていく覚悟はできている。  巳屋敷に珠次のかわいさを語ったり珠次が俺のどこを好きなのかわからないと愚痴ったりするだけではなくゲームをすることにした。    反面教師にすると誓った兄の「のめりこむ癖」を俺は解禁したのだ。    元々のめりこんでしまう性質だからこそ兄たちが消えた謎に挑んだり、珠次とエッチをし続けようとするのかもしれない。  それなら全然反面教師に出来ていなかったということかもしれない。  どう気を付けても俺はのめりこんでしまう人種かもしれない。  なら逆にのめりこむ方向性をずらせば珠次に嫌われる可能性を減らせる。    俺がいるのに兄が時計作りに熱中していたので淋しかった。  だから、周りにいる人間に同じ気持ちを味わわせないように気を配ることを覚えた。  きちんと気を遣えているかはともかく俺は珠次に不快な思いはさせたくない。  対策はいくつでもいくらでも思いつく限りするべきだ。    人と人との関係が好きになって告白して終わりじゃないことはわかっている。  俺の方が年上だからしっかりしないといけないが「べあべあ」言って濁しているのが実情だ。  せめて無理をさせるようなセックスをしないように俺は親衛隊に協力してもらうことにした。  

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