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恋人はきっと俺が好き?1-1 会長視点
俺の親衛隊に仮所属している横道という後輩が珠次の同室者の幼なじみだと聞いて接触した。
親衛隊に入るのにいくつかの試験をクリアしなければならない。
横道は運動部に所属しているので部長と顧問が部内での活動が問題ないと判断しなければ親衛隊員にはなれない。
過去に親衛隊になったことを理由にして部活をサボったり手を抜く生徒がいたために出来たルールだ。
部活動を優先し、その息抜きとして親衛隊に所属する。
横道は未だに不安定な立ち位置で部内で実力を発揮できていない。
そのため正式に親衛隊に所属する許可が部長から下りていないようだ。
仮所属は俺と顔を合わせる機会がなく他の親衛隊と触れあう時間も少ないので俺に関する情報があまり入ってこない。
とはいえ、仮とはいえ親衛隊なので俺のために何かをすることを嫌がったりしない。
話はすでに巳屋敷から回っているのか横道は俺が自分でもしつこく粘着質だと思うほどに珠次について聞いたが嫌な顔一つしなかった。
吉武なら確実にドン引きした顔をするだろう俺の熱意を平然と受け止めてみせる。
年下ながらに理解がある心が広いやつだ。
珠次の同室者である横道の幼なじみの牧田も俺に対して好意的だった。
俺が珠次のことを好きでいる姿に感動しているらしい牧田は俺と一緒にいない時の珠次のことを身振り手振りを交えて語ってくれた。
週に三回ほど昼休みに呼び出しても嫌な顔をしないかわいい後輩だ。
さすがに週に五回だと話すことがないとやんわりと告げられたが俺の悪口を珠次に言うわけでもない良い奴らだ。
だが、今回のことについては二人に恨みしかない。
転入生は横道の同室になると担任伝いに連絡を入れた。
気を利かせたのか俺が寮に連れて行く前に横道が牧田と共に現れた。
校舎を軽く案内して翌日がんばれと告げたら一生会うつもりはなかった。
相性が悪い人間と同じ空間に居続けることが俺にはできない。
いつでもどこでも完全に集中して周りを自分から切り離せる兄とは違う。
苦手だとか嫌だと思うとその相手の気配に気が散る。
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