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第12話【取引(前編) *】

 ――初めての肛門を使った性交に、真駒は生理的な涙を流す。 「い、痛い……です、痛い……ッ」  硬く反り立った椎葉の逸物が、大した準備もされていない真駒の肛門に深々と突き挿れられる。女の秘所のように濡れることがない器官で、逸物を受け入れるだなんて無茶な話だ。真駒はみっともなく泣き出しながら、自身を犯す椎葉を見上げた。 「痛い?」 「痛い……っ! 痛い、です、課長……っ」 「そうだろうね」  椎葉は逸物を引き抜くことはせず、無理矢理奥へと突き穿つ。その痛みに、真駒は体を硬直させた。 「痛くて当然だよ。痛くなるように抱いてるんだから、さっ」 「ぃあッ!」  語尾に合わせて腰を動かされ、真駒は短い悲鳴をあげながら絨毯を握り締める。 「やだ、嫌……痛いの、嫌、です……ッ」 「『嫌』? 君がそれを言うの?」  少しだけ引き抜いたかと思うと、もう一度乱暴に突き挿れられ……真駒は想像を絶する痛みから、涙をとめどなく溢れさせた。  そんな真駒を、椎葉が満足そうに眺める。 「僕の首を絞めた自分は、棚に上げるんだ?」 「ッ!」 「あはっ! いいね、その顔……最高だよ!」 「ひあッ! い、いたい、痛い……ッ!」  真駒が涙を流す度、椎葉の逸物は更に熱を帯びた。硬度を増し、大きくなる椎葉の逸物に……真駒は恐怖する。  ――まるで、凶器だ。 「いだッ、痛いッ! や、いや、だ……ッ!」 「あはは! 痛いよね? いいんだよ、もっと泣いても。君が泣けば泣く程、僕は悦ぶだけだからさっ!」 「あぁッ!」  椎葉の腰遣いがより一層激しいものとなる。肛門の内側を逸物で擦られる度に、真駒の体には激痛が走った。  痛みに顔を歪めれば、椎葉は悦ぶ。  『痛い』と口に出して苦しめば、椎葉は笑う。  涙を流せば、椎葉の逸物で激しく犯される。  それでも真駒は、椎葉を突き飛ばすことができなかった。涙で視界が滲むのに、目を閉じられない理由もある。  ――真駒の視線は、椎葉の首を捉えて逸らさない。 「犯されて、痛くて辛くて泣いてるのに……君のココは、こんなにも熱い」 「は、ぁ……ッ!」  椎葉の首を眺めているだけで、真駒の逸物は驚く程熱を帯びる。肛門に与えられる痛みは薄まらないのに、それでも真駒の逸物は萎えることなく反り立ったままだ。  真駒の逸物を椎葉が指で撫でると、真駒が甘い吐息を漏らす。それを聞いた椎葉は、可笑しそうに口元を緩めた。 「後ろも締まった……可愛い」 「や、あッ! 痛い、やぁ……ッ!」 「こんなに締め付けといて、何が嫌なの?」  真駒の逸物は、限界寸前だ。  ――それもそうだろう。  真駒の目の前には、自身が最も興奮する椎葉の首があるのだから。

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