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情報整理と行動の方向性 1
自分の部屋を後にしながら早くも雄大に対してやり過ぎたかと後悔する。
言ってしまえば雄大も被害者で責めるべき相手じゃない。
雄大が俺に悪意あってハメたわけじゃない。今回のことに雄大の意思はどこにもない。俺が被害者で巻き込まれたというのなら雄大も同じだ。
でも、転んだ後にさらに踏みつけられたような行動をとられれば八つ当たりでも突き落としてしまいたい。
そうは言っても相手は雄大だ。
保護者としての感覚が雄大が悪いならそれは俺の教育の仕方が悪かったんじゃないのかと囁く声がある。
それに雄大が俺を本心から責めていたならいくら長年の付き合いでも殴りつけて部屋から追い出したかもしれない。その体力があるかはともかく。
けれど、雄大が求めていたのは俺との和解。責めるのは前座としての八つ当たりみたいなものだ。俺がさっきしたのと同じ。許すのは簡単なことじゃない。段階を踏まないと感情は納得しないのだ。
きっと生徒会役員たちや親衛隊は雄大が俺にこだわり続けるとは思っていなかっただろう。
雄大の中の俺の存在を舐めている。
あんな変態プレイを見て引かないわけがない。
アレを見た上で好きだと思えるなんておかしいと、そう考えていたからこそプレイがハードだったんだろう。
自分が折れて許すから今回のことは不問にするというのが雄大の優しさ。
もちろん、すんなりとその結論に到達できるわけもないから俺のことを浮気者と責めたけれど仕方がない。
俺だって雄大が女の子のハーレムで乱交していたと聞いたらまず否定するけれど動かない証拠があれば認めるしかない。
心のどこかで無理矢理でも何でも自分以外の誰かと恋人が触れ合ったという事実が許せないという気持ちがある。苛立ち、怒りが恋人に向かうか浮気相手に向かうかは性格によるんだろう。
違和感はある。けれど冷静にその状況がおかしいと疑問が出てくるのは衝撃がなくなってからだ。今は目の前にある事実をどうにか自分の理解できる形に飲み下すことがやっと。まだ細かいところに気が向かない。
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