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情報整理と行動の方向性 2

 俺は金曜日の夜に襲われた。  解放されたのは土曜日の夕方過ぎ。  今日は日曜日の朝だ。    重い身体と空腹に思い出す。  クスリ混じりのジュースと精液だけを飲まされて胃袋は空だといっていい。  自分の部屋に帰って吐けるだけ吐いた。    あんなことの後に動き回れるだけ十分元気なのかもしれない。  いろいろとクスリを飲まされた影響かもしれない。  爪をはがされたこともあって解熱剤をもらった。  あれが本当に解熱剤だったのかもわからないけれど。    金曜日の夕方まで俺の日常は昨日と何一つ変わりない学園生活だった。  繰り返し続けるいつもの日常。    ご飯はいつも雄大と食べる。けれどその日は来月にある両親たちの結婚記念日のために都心に出ていた。俺と雄大の両親は一緒に結婚式を挙げたらしく結婚記念日が同じだ。毎年盛大に祝っている。    すで学園を卒業して大学に通っている先輩が花やギフト系のプレゼントに詳しいから都心で落ち合っている。この学園の卒業生だが俺に対する嫌悪などはない。  初等部の頃からかわいがってくれていて今でも連絡を取り合っている。  雄大は俺だけで先輩に会うのを嫌がったけれど生徒会としての仕事があるので置いてきた。恋人がいる人だし先輩は上下関係にうるさいので後輩に手出ししたりしない。後輩はあくまで後輩だ。  そもそも先輩は好きな相手をイジメるタイプなので俺をかわいがってくれてることから範疇外だと分かる。    俺は金曜の夕方から日曜日まで外泊届けを出していた。    全寮制なので無断外泊は出来ない。  早めに帰るのは問題ないので俺が先輩と会う時はいつも日帰りだとしても外泊として申請していた。  こういうことは先輩に会う以外にもよくあることで基本的には日帰りしていた。たまに天候の関係で足止めを食らってホテルに泊まることもあった。  それに対して雄大は淋しがることはあっても大きな不満を口にすることはなかった。  天候はどうしようもない。  

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