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情報整理と行動の方向性 3

 俺の浮気の疑いは時間的に不可能な話ではない。  本当は日帰りで帰れたのに帰らずに外泊した。そういうシナリオ。  学校外で泊まりをした事実はイコールで乱交をしていたと思い込ませるだけの下地を作っている。  一度疑惑が心に住み着けばあとは全部が怪しくなる。  どんな行動もそういった目で見えてしまう。  好きだとはいえ相手の言い分を百パーセント信じるなんて間違っている。  人はそのつもりがなくても嘘をついてしまったり誤魔化したり勘違いしていることもある。  だから言葉はそのまま受け取るのではなく自分で考えて吟味しなければならない。  雄大は自分で考えたつもりで作られた道筋を走っていたに過ぎない。  でも、それは俺が当事者だからこそ言える。  雄大の立場に立っていないから見えてくる。    冷静に考えると昨日今日の計画じゃない。  以前からこちらの情報を手に入れて練られていたんだろう。  雄大の性格と俺との関係だけを読み間違っていただけで今回のことはリスクとリターンで考えると効率的だ。  だって普通は泣き寝入りする。考えたくない。冷静になんかなれない。    身体中が痛むし、とくに指が痛い。少し動かすだけでも苛立つほどに痛い。  頭痛と吐き気は消えはしない。でもだからこそ体調不良を吹き飛ばす強い目的意識を打ち出す必要がある。    それはつまり動画の回収だ。  これは早ければ早いほどいい。    雄大に見せるためだけのモノとは思えない。  俺と雄大の関係が未だに恋人同士だと知って動き出す人間がきっといるだろう。  最悪を想定しないとならない。    ネットに流されたら回収は困難といっていい。  今ならまだ間に合うだろう。

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