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愛してるからこそ地獄行き 2

   日曜日も遊ぶなんて聞いていないと俺は早朝にもかかわらず先輩に電話をかけて驚いた。  先輩が言うには哉太は金曜日に学園に戻ったというのだ。  いつも寮に戻ったら俺に連絡をくれる哉太が、何の連絡もない。  そういう日もあるだろうと思うには納得できないほど哉太は俺に配慮してくれていた。  自分がどこで何をしているのか哉太は基本的に連絡をくれる。  寮でご飯を食べたり外でご飯を食べるタイミングは俺が生徒会長としての仕事を一段落させてからになるからだ。  スマホの充電が切れたにしても土曜日丸一日、俺は哉太に無視された。  哉太を怒らせるようなことをした覚えなどない。  苦い気持ちを噛みしめながら先に副会長に呼び出されていたので寮にある生徒会が使う役員専用の部屋に向かった。    校舎だけではなく寮でも生徒会の仕事ができるように役員専用の部屋が設けられている。  もちろん入れるのは生徒会役員だけ。    入る前から嬌声のようなものが聞こえていて嫌になっていた。  以前からそうだが俺は生徒会役員から嫌われている。  哉太は好かれていると言うがそんなわけがない。  俺の言うことなんか聞かないし、俺に対して口出しする権利を持っていると勘違いしてやかましい。    中学の時からずっと会計には地味な嫌がらせを受け続けている。  女とエッチしたことないから知らないだろと無修正のAVを見せられた。  ムカついたので蹴り飛ばしておいたが会計は最低だ。  そのときは女の局部がアップになった映像に副会長がパニックを起こしてリモコンを投げつけてテレビを壊していた。あいつは童貞なんだろう。  どうでも良かったので何も感じていないような書記に会計を風紀に注意してもらうように言いつけるだけにしていた。    今回もそういった嫌がらせだろうと高をくくって役員室の扉を開いた。  無修正のAVを見るだろうことは覚悟していた。  逆にいうとその覚悟以外はしていなかった。  俺の心は無防備だった。    副会長の怒鳴り声が聞こえたので会計の悪ふざけもすぐに終わると思って部屋の中に入ったのだ。    目の前にあったのは女性の姿じゃない。  犯されているのも犯しているのも男。  それだけなら今回はゲイビにしたんだと思うだけだ。    そうじゃなかった。    目の前にあるのはよく知った顔。  同時に全く知らない顔。    俺の恋人であるはずの金宮哉太が不特定多数の男を受け入れて喘いでいた。  無修正AVなんて目じゃない衝撃を味わった。  頭が真っ白になっている俺に会計が笑いながら何かを言う。  言葉の意味が頭に入ってこない。  副会長が俺に頭を下げる。  罪悪感を滲ませて申し訳がなかったと言っている。  そんな謝罪で済む程度のことが目の前の映像なのか疑問しかわかない。  書記からデータをもらった。よく見るように言われた。    上手く処理できないでいる俺に会計は嬉しそうに微笑みながら「ショック受けてるサミーかわいい」と写真を撮られた。  ムカついたので蹴り飛ばした。   「お前、ハラワタぶちまけたいのか」    暴力はいけないと思っていても気が立っていた。とりあえず映像に映ってる哉太の相手を髪の毛を全部毟りとって薄汚い男性器を切除して口の中に突っ込んでやりたい。自分の性器を口に入れて窒息死しろ。

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