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愛してるからこそ地獄行き 8
双子庶務の言い分はこうだ。
哉太の隣の席にいるらしい雛軋 が全て悪い。
よくわからないが俺に恨みがあって一泡吹かせたかった雛軋は哉太を使った嫌がらせを双子に持ちかけた。
双子はもちろん断ったと必死で言い訳をしていたが情状酌量を狙っているんだろう。
減刑などあるわけがないがとりあえずは無視する。
雛軋は双子と双子の親衛隊長である小具の微妙な関係を改善するのに今回の計画を使えばいいと口にしたらしい。
書記と小具と双子の関係など俺にはどうでもいいことだが哉太を介して四人で顔を合わせて欲望をたぎらせたことで状況は変わったらしい。
小具が哉太を好きになったと書記や双子を振ったという。
話が違うと雛軋に詰め寄った。
雛軋は小具と哉太が接触しないように提案した。
三人で哉太の元に来る予定だったのが雛軋が寮に向かっている途中でどこかに消えた。
探したが見当たらないので双子は二人で予定通りに哉太の元を訪ねた。
哉太は居らず俺に遭遇したわけだが、この二人はローションや大人のオモチャ一式、哉太の動画を持ってやってきたので何をしようとしていたのかは一目瞭然だ。
その件を追及する前に玄関が開かれた。
双子を玄関に入れた時に鍵を閉めていなかった。
哉太が帰ってきたのかと思ったが違う。
双子の親衛隊長である小具だ。後ろに書記もいる。
正直、顔と役職を一致させることは出来なかったが双子が「小具っ」と呟いていたし動画に映っていたので分かる。
血まみれの双子の片方の手を見て驚いて小さく悲鳴を上げる小具。書記は目を細めた。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさっ」
ぼろぼろと涙を流しながら「ふたりは悪くないんですっ。ぼくが全部悪いんです」と口にするのでその顔面を蹴り飛ばす。
吹き飛ぶ小具は書記が受け止めたが舌でも噛んだが上手く息が出来ず咳き込んでいる。軽く顎を蹴り飛ばしたので脳震盪を起こしたのかもしれない。自分の足で立っていることが出来なくなっている。
双子は口をポカンと開けて俺と小具を見比べる。
何を不思議に思っているのか知らないが自分が悪人だと堂々と言っているのだから覚悟が出来ているだろう。
「お前が一番大切にしていそうなその顔面を俺の蹴りで整形しても構わないだろ。自分が悪いことをしたと自覚してるならどんなことも耐えられるだろ? この二人が悪くないと思うならこの二人が受けるべき罰もお前が肩代わりするのか?」
口にしてから聞こえていなさそうだと肩をすくめる。
書記が緊張した面持ちで「小具の話を聞いてやらないんですか」と口にするので踏んでいなかった双子の手を踏みつけながら首をかしげる。
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