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 それから映像は滝原靖久の寝所になり、そこに金色の髪を振り乱して靖久と愛し合う青成の姿があった。 「この辺で城山くんの青成としての記憶は途切れているから…ここが最期だったのね」 「智子さん、俺はいつまでこのホモビデオを見なきゃいけないんですか?」  文献データと照らし合わしながら智子は真剣になって記憶媒体を見、弥里は男同士のまぐわいシーンに辟易していた。  当人である碧は涙を流して寿樹の腕にすがっている。 「ふ…ひうぅ……僕の、前世……この人を、本当に愛してたんですね…うぅ…」 「滝原家にあった冷泉帝即位にあたる時期の文献には、この滝原靖久の怨念のような言葉が遺されていて…これが後々の乱に繋がったのかと思ってたけど……それはまた別の話だったようね」  ロマンチックに浸る当人たちとは180度違う智子の態度、そしてただ時間が過ぎるのを待つだけの弥里、時間は間も無く午前4時、つまり寝不足とか疲労とか諸々で体が限界だった。 「朱雀院の陰謀は滝原靖久には無関係だった…と………はあああああ……! こんな長々と男同士のイチャイチャ動画見せられてわかったのはそれだけかよ!」 「みーくんはもっとこの大恋愛に感動とかないの!? 結ばれないんだよ? 愛してるから自分から死んじゃったんだよ? こんな悲しい結末ってある?」  無神経な弥里の言葉に碧は激昂する。そして川原研究所名物・ちびっこ大論争のゴングが鳴る。 「前世からの運命とかアホらしいんだよ! なぁにが運命の人ぉ♡ マジでキモいんっすよ!」 「僕と寿樹さんは運命なの! 羅生門跡地でビビビッて目があってお互い一目惚れだったの! この出会いだけでテレビ局に売り込みできると思うんだけどぉ!」 「それは男女ならいいっすよ! 城山さんとおっさんじゃないですか!」 「はああああああ!? 寿樹さんはおっさんじゃありませーん! こんな素敵な男性は世界中探したって寿樹さんしかいませーん!」 「ハリウッド俳優とかいますぅ! タイ●ニックのレオナルドなんちゃらとか、いますぅ!」 「そんなこと言ってるみーくんの彼女も冷泉帝の生まれ変わりなんでしょ? あの頃は結ばれなかったからって今付き合ってるじゃん!」 「あああああああああいつは実家が隣同士だったんです! ビビビとかそういうのなくてちゃんと好きになってく長年の過程があったんですぅ!」 「僕と寿樹さんだって愛を少しずつ育んでいたもん!」  大論争を智子はわれ関せず、寿樹にも「放っておきなさい」と無視を勧めて、残りの滝原靖久の記憶映像を見ることにした。

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