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六
何を言っているんだという顔をされたのでオレは下半身を丸出しにして机に座る。
高さがそれなりにある生徒会副会長の机。
腰を突き出すように座ってよく見えるように足を開く。
力のなくだらりとした男性器を手で押さえてオレは濡れてもいない割れ目を初めて堂々と人目にさらした。
医者と母親以外に触れられた覚えのない個所。
弘文の親友だとしても言いふらすような人間ではないので構わない。
驚きながらも視線はオレの秘所からそらすことのない相手によく見えるように指で割れ目を広げる。
「この中に精液入れてオレを孕ませてほしいんです」
「……ちょ、ちょっと待って……すげー、混乱してる」
「オレは男ですけど女性器があるんで子どもが産めます」
「そういう体の人がいるって聞いたことあるけど、そういう人って」
「もっと女性らしい丸みを帯びた体型になったりするみたいですね。オレはこう、ですけど」
「康介くんは十分かわいいんだけどね、うん、かわいいより綺麗系だけども」
頭を押さえて唸り声をあげたかと思えばオレの顔を見て下半身を見る風紀委員長の兄。オレにとっても兄のような人なので抱かれるのは抵抗ない。男女ともに経験豊富らしいので安心できる。
「オレ、はじめてだから面倒かもですけど」
「いや……待て、そういうことじゃない」
「えっと? 一回だとすぐに受精できないかもしれません??」
「そういうことでもない」
「あ、養育費とか認知とかは必要ないです。下鴨で育てますから気にしないでください。面会したいなら特に制限はしません」
「いやあのさ、どうして、俺?」
「お兄ちゃんみたいで安心するから?」
疑問系なオレの返事に「お兄ちゃん?」と聞き返される。
今まで言ったことがなかったかもしれない。
弘文の親友としか思っていなかった。
「おにいちゃん、おにいちゃんのちんぽをこーすけのまんこにいれて?」
「犯罪的すぎる」
「おにいちゃん、こういうの好きでしょ」
「スゲー好き。最高っ」
ズボンの布地が押し上げられていて目に見えて勃起しているのが分かる。
オレのお兄ちゃん攻撃が利いたらしい。
鼻息も荒くオレの足を撫でながらも「もっと、お兄ちゃんって呼んで」と言ってきた。
身体の作りで拒絶されるかと思ったけれどやっぱり弘文の親友だからか良い人だ。
乗り気な相手に「おにいちゃん」と呼びかけながら腰を動かす。
これでこの学園から、弘文から離れられる。それだけを思ったオレは浅はかだったのかもしれない。
足から性器にお兄ちゃんが手を伸ばした瞬間に生徒会室の扉が開いた。
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