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二十二
オレの交友関係は狭く、弘文を中心にして生活していたため弘文を抜きにした知り合いというものがいない。
個人的にオレに好意的なのは親衛隊だが、むこうから自己紹介されない限り普通の生徒と見分けがつかない。
入会時にあいさつをされるが覚えていない。
どうでもいい人間の顔の判別ができない。
オレと何の関係がなくてもオレの親衛隊だと名乗れば信じてしまうだろう。
オレに対して性的な興味を持つ人間は男を求めている可能性が高い。
女性の膣に挿入したいと思っている人間ならわざわざオレの親衛隊に所属してないだろう。
そうすると親衛隊は精子提供者として微妙な存在だ。
男女ともに性交渉に慣れていてオレに対して優しさを持っている相手を想像すると久道さんしか出てこない。
男の経験値は現在の会長もそれなりにありそうだが目に見えて木鳴弘文よりも格下な相手を選ぼうという気にはなれない。ありえない。
久道さんは弘文の親友であり部下や後輩というわけじゃないのであまり気にならない。
現会長に内心でダメ出しをしながら、気の進まなさを誰でも同じだと訂正する。
木鳴弘文よりもレベルの低い人間を相手にする気持ちが湧かないというよりも木鳴弘文じゃないならせめてオレを絶対に傷つけない人間がいいと思った。オレに好意的で酷いことなどしない人。そういうオレにとって都合の良い人選手権をすれば代表は久道さんだ。
久道さんはオレが利用したところで気にしたりしない心の広い人だ。
「紹介してもらうっていうのもありか」
久道さんに弘文に妨害されない相手を紹介してもらう。
これはこれで良い考えだ。
親友であり弘文をよく知る久道さんになら弘文を怒らせない相手も見つけてくれるに決まっている。上手くいく方法も教えてくれるだろう。
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